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「プライド持って戦って欲しい」。A代表初ゴールの堂安律。U-19から世界を目指す久保建英らにエール。

河治良幸スポーツジャーナリスト
昨年のU-20W杯では堂安が”飛び級”参加の久保とともに攻撃を牽引した。(写真:田村翔/アフロスポーツ)

ウルグアイ戦でA代表初ゴールを決めた堂安律が、10月18日にインドネシアで開幕するAFCU-19選手権(通称・U-19アジア選手権)から来年のU-20W杯を目指すヤングジャパンにエールを送った。同大会には堂安と昨年のU-20W杯で共闘した久保建英(横浜F・マリノス)と田川亨介(サガン鳥栖)も参戦する。

「やっぱり20の時に世界を経験できたのが今でもめちゃくちゃ大きいですし、(U-20は)人生の中で一番楽しかった思い出があるから俺は。ぜひ世界に出て、そこから新しいライバルの選手が出てきて欲しいなというのはすごい思っています」

バーレーンで前回はイラン、カタール、イエメンと同居したグループを首位で突破し、準々決勝でタジキスタンを破り、この年代では4大会ぶりの世界の切符を手に入れた。そこからベトナムを破り、決勝ではサウジアラビアと延長戦の末にPK戦を制してアジア王者に。堂安は大会の最優秀選手(MVP)に輝いている。

「(当時は)ギラギラしてましたし、あまり連覇とか連続というのは気にすることなく自分たちのプライド持って戦って欲しいなと思います」と語る堂安だが、自身が貴重な経験をしたU-20W杯でさえも選手として成長の通過点であることを強調する。

「正直、アンダー20は通用するので日本のサッカーは。ただいろんな先輩の話を聞いてると20の後、20ー23のところで成長の速度がヨーロッパの選手と違うというのは色んな人から聞いて、僕は海外に飛び出そうと思ったので、正直。今のメンバーは(久保)建英もいると思いますけど、通用するメンバーばっかりだと思うので。ただそこじゃなく、2年後、3年後目指して欲しい」

実際に堂安はオランダに渡り「あいつら飢えている」というライバルと切磋琢磨する中で彼らが背負って来ているものを感じながら、そうしたライバルに負けない向上心を持って日頃から取り組んでいる。

「その選手らを追い越すことしか考えてないですし、それしか考えてなくて海外に行ったので、すげーうまくなりたいです。この試合終わってより一層思いますし、またオランダ帰って練習がすごい楽しみなワクワクしている。その気持ちが正直日本ではなかったので、いまはすごい練習が楽しみな気持ちでいっぱいです。あいつらとバチバチやりたいなと思っています」

そう語る堂安は下の世代からライバルの台頭を期待するが「ただ僕は下を見たくない。常に上を見て戦っていたので、これからも変わらず」と自分の戦いに目を向ける。

「素晴らしい選手たちもこうして代表の中にいるので、一緒にプレーしてまた改めて感じましたし、この人たちに追いついて追い越すためには波半端な努力じゃ無理なので、考え直したいと思います」

昨年のU-20W杯で主力だった97年生まれの世代と今回のU-19アジア選手権に臨む99年以降の生まれの選手は東京五輪世代と呼ばれる。当然そこは大きな目標になるが、やはり代表における最高の場所はA代表にある。そのステージで現在のメンバーに追いつき、追い越す選手が現れるのか。

まずは北朝鮮、タイ、イラクという過去になく厳しい相手が揃うグループリーグを突破し、準々決勝を勝ち抜いて、世代として世界の切符をとること。その先に扉は開けてくる。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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