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【京都市中京区】京の台所市場で130年続く老舗の湯葉・生麩・豆腐の店が惜しまれつつ9月いっぱいで廃業

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 台風10号は各種メディアが報じている通り、2024年9月1日12時に勢力を落とし熱帯低気圧に変わったようですね。今のところ京都市内も晴れ渡っていますが近畿一円に大雨の可能性はあるようです。

 とはいえ、ほぼ晴れ上がった9月1日に錦市場を訪れてみると、溢れるインバウンドの人たちといった光景は変わらずでした。

 錦市場から麩屋町上がるに移転した高倉屋商店さんで昼のみして、冷ややっこを食べていると、これがまためちゃ美味。店長から「そこのお店ほんとに良い豆腐を配達してくれてたんやけど、9月いっぱいで閉店なんだよね」と残念そうに話されていました。

 錦小路通富小路東入ルの「近喜商店」さんを訪ねました。店頭の看板の文字や商品の置き台がレトロな風情を醸し出すまさに「ザ・錦市場」なお店です。木屋町にあった「賀茂とうふ 近喜」の分家として明治34年に創業と言いますから、もう130年近く続いています。

 置き台のショーケースに「諸般の事情により……」と閉業挨拶の丁寧な張り紙がありました。手作りをモットーに、仕事場に水道は無く、錦の地下水につけて豆をもどし、機械を使わずに昔ながらの味を創業以来、ずっと大切にしてこられました。「地下水は美味しく、温度が年中一定なので豆腐づくりには欠かせない」のだそう。

 豆腐と豆腐の加工品(がんもどき、揚げなど)、生麩、湯葉などを扱っています。現在の店主は四代目ですが、弟さんと二人三脚で45年続けてこられました。「15年あまり前から錦の風景も随分と変わったなあ。ほとんど外国人観光客で埋め尽くされ取る。地元の人が来にくうなった。今の状況ではなかなか後継といってもね。廃業をすることにしました」としみじみ語って下さいました。

 錦市場の名店がまた一つ姿を消すのは寂しいですが、9月いっぱいまでは営業をされていますのでぜひ立ち寄ってみてください!

 近喜商店(きんきしょうてん)京都市中京区錦小路通富小路東入ル 075-221-1931

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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