名古屋めしの一つでありながら、あまり知られていないカレー。しかし、マニアから絶大な支持を得ているカレーグルメが名古屋市には多く存在します。

中でも、筆頭格と言えるのがカレーうどん。片栗粉ではなく小麦粉で煮込んだルゥ、クリーミーでとろみがある、鶏でとった出汁を使用、もっちりした麺と合わせるなど、名古屋独自の特徴を見出せます。

今回はカレーうどんをはじめとして、「カレー×麺グルメ」4選をご紹介！人気店の王道メニューから知る人ぞ知る一杯まで取り上げます。

カレー煮込みうどん 鯱市　カレー煮込みうどん

味噌煮込みで有名な山本屋さんですが、カレー煮込みうどん屋さんも手がけているのはご存じでしょうか。お店の名前はカレー煮込み専門店「鯱市」さん。イチオシは、ベジタブルカレー煮込みうどんです。

なんとカレー煮込みうどんの中に、ごろごろと野菜が投入されています。その様はまるで「スープカレー」！とはいってもカレーはサラリとしておらず、むしろどろっと濃厚な仕様です。

嬉しいのは野菜のボリューム。1種類の野菜でも2〜3個投入されており、とても食べ応えがあります。しかも野菜がみずみずしいのもポイント。濃厚なカレーに、フレッシュな野菜が良いアクセントになってくれますよ。

麺は山本屋特製の極太麺。ワシワシとした食べ応えは、やはりあの有名な味噌煮込みうどん譲りの美味しさです。この麺が濃いカレーとよく絡んでくれて、本当に絶品です。

覿・麺 名古屋植田店　濃厚カレー味噌らあめん

植田の住宅街の一角にある「覿・麺 名古屋植田店」さんは本格的な北海道ラーメンを提供する人気店です。筆者のイチオシは、苫小牧名物・味の大王のカレーラーメンを思わせる「濃厚カレー味噌らあめん」。

厨房で火を入れて焦がした味噌スープの風味が豊か、そしてしっかりカレーのスパイシーな香りが漂います。二つの個性のバランスが絶妙です。

そんなスープには同じく北海道のラーメンらしい縮れ玉子麺。麺にしっかり絡んでくれるだけでなくコシもあり、独特な食べ応えを備えています。

焦がし味噌スープならではの身体の芯からパワーが湧いてくるような美味しさが、カレーによって絶妙な塩梅に仕上げられている「濃厚カレー味噌らあめん」。スープが丼一杯に注がれていますが、全部飲み干してしまうほど病みつきになる美味しさです。

長崎ちゃんぽんたなべ錦店　カレー皿うどん

栄の路地裏に位置する「長崎ちゃんぽんたなべ錦店」さんは、名古屋のサラリーマンに愛される老舗ちゃんぽん屋さん。このお店ではユニークな「カレー皿うどん」が提供されています。

ちゃんぽんに添えられる具材を、特製のカレー餡と和えて、うどんの上にかけた一品です。皿うどんといえば一般的には、パリパリの麺をさしますが、このお店ではちゃんぽん麺をそのまま使用しています。

中太のちゃんぽん麺に、しっかりと餡が絡まるのが特徴です。モチっとして食べ応えのある麺と一緒に、ちゃんぽんスープの豚骨とカレーが両立した味わいが、口いっぱいに広がります。

カレーカレーしすぎず、あくまでアクセントとなっているので、具材と餡の繊細な旨味がしっかりと生きています。大盛りにしなくてもお腹いっぱいになれるボリューム。野菜をたっぷり摂れることも支持されている理由でしょう。

うどん錦　クリーミーカレーうどん

名古屋栄の一角でこぢんまりと佇む「うどん錦」さん。実は食べログ「うどん EAST 百名店2022」に選ばれており、名古屋を代表するうどん屋さんです。

そんな名店が手がけるのは"クリーミーカレーうどん"と言われる一杯。適度なとろみと濃厚さ、染み渡っていく余韻。他では味わえない優しく、味わい深いカレールウは多くのリピーターさんから愛されています。

そして組み合わさるのは、手打ちうどん。柔らかすぎず、適度に弾力があります。手打ちならではの微妙な不均一さもありますが、それゆえにカレールウにしっかり絡みつくのがポイントです。この一体感が食べ進める時の満足感をさらに高めてくれます。

一本一本長い麺を思いっきり啜れば、麺と一緒にカレーの味わいが優しく口の中に広がっていく時間は幸せそのもの。レンゲでルウをすくって噛んだ麺を流し込むのも最高ですよ。