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日韓台の選手がラインナップに揃う。これは史上初!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉田正尚(ボストン・レッドソックス)Apr 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月16日、ボストン・レッドソックスのスターティング・ラインナップには、ロブ・レフスナイダー吉田正尚ユー・チャンが名を連ねた。それぞれ、「3番・レフト」「6番・DH」「9番・遊撃」として出場した。

 レフスナイダーは韓国で生まれ、数ヵ月後にアメリカ人夫婦の養子になった。吉田は日本、チャンは台湾で生まれ育った。

 調べたところ、この3ヵ国でそれぞれ生まれた選手が並んだスターティング・ラインナップは、レッドソックス以外のメジャーリーグのチームでも、過去には見当たらなかった。

 同じ試合に揃って出場した例はある。

 例えば、2004年10月3日のロサンゼルス・ドジャースでは、韓国生まれのイー・ソプチェが「7番・一塁」、日本生まれの石井一久が「9番・投手」として出場し、台湾生まれのチンフェン・チェンは、2回表からレフトを守った。2006年4月22日のドジャースでは、韓国生まれのジェウン・ソが先発マウンドに上がり、台湾生まれのホンチー・クオと日本生まれの斎藤隆も登板した。

 現在、レッドソックスでプレーしている3人も、4月1日~3日と8日の試合にいずれも出場している。だが、4試合とも、彼らのうち1人か2人は途中出場だった。

 今後も、3人がスターティング・ラインナップに揃うことはあるだろう。もっとも、その回数は多くないかもしれない。レフスナイダーとチャンは、開幕時にレギュラーとして予定されていた選手ではない。出場が増えているのは、アダム・デュボールと吉田の故障によるものだ。

 デュボールの離脱については、「開幕8試合で4本塁打&14打点のセンターが左手首を骨折。代わりに内野手が昇格する」で書いた。吉田は、右太腿裏の張りにより、4月12日から15日まで4試合続けて欠場した。

 吉田がレフトに復帰すれば、レフスナイダーは控えとなる可能性がある。この場合の外野トリオは、左から右へ、吉田、キーケー・ヘルナンデスアレックス・バーデューゴだ。あるいは、キーケーが開幕当初の遊撃に戻り、チャンが外れることもあり得る。その際のセンターは、レフスナイダーかライメル・タピアが守る。

 なお、ここまでの打率と出塁率は、レフスナイダーが.212と.366、吉田が.205と.354、チャンは.087と.160だ。ホームランは、1本ずつ打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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