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「対戦0打者」でシーズン初白星を手にする。チーム史上初。MLBでは何年ぶり何度目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ショーン・ニューカム(オークランド・アスレティックス)Jun 13, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月21日、ショーン・ニューカム(オークランド・アスレティックス)は、打者に対して1球も投げることなく、記録上、対戦打者0人で白星を手にした。

 1点ビハインドの8回表、2死一、三塁の場面で、ニューカムは、ルーカス・アーセグに代わってマウンドに上がった。そして、初球の前に、カウント1-1から、一塁へ牽制球を投げた。一塁走者のオースティン・マーティン(ミネソタ・ツインズ)は、一塁と二塁の間に挟まれ、アウトになり、イニングは終わった。その裏、アスレティックスは、シェイ・ランガリアーズのホームランで6対5と逆転。9回表は、メイソン・ミラーが締めくくった。

 ニューカムは、この日がシーズン4登板目。それまでの3登板とも、2点ビハインドの場面から投げ、白星と黒星だけでなく、セーブ、ホールド、セーブ失敗のいずれもつかなかった。もともとは、先発投手だ。10年前のドラフトで、ロサンゼルス・エンジェルスに全体15位指名を受けた。アトランタ・ブレーブス時代には、2018年に先発30登板とリリーフ1登板で計164.0イニングを投げ、防御率3.90、12勝9敗を記録している。

 アスレティックスのゲーム・ノーツによると、シーズン初勝利かどうかを問わず、「0球勝利」「対戦打者0人で白星」はチーム史上初だという。MLB.comのトーマス・ハリガンは、1901年以降27人目、2020年8月30日にサンフランシスコ・ジャイアンツで記録したトニー・ワトソン以来、と記している。

 ちなみに、こちらはオプタ・スタッツによると、ジャイアンツの「0球勝利」「対戦打者0人で白星」は、ワトソンが3人目。その前の2人は、2005年9月17日のタイラー・ウォーカーと、2016年8月4日のセルジオ・ロモだ。ジャイアンツも、ウォーカーが記録するまでは、アスレティックスと同じく、100年以上も不在だった。

 なお、上原浩治は、2013年のワールドシリーズ第4戦で、試合終了となるアウトを牽制球で記録し、セーブを挙げている。ただし、これは「0球セーブ」「対戦打者0人でセーブ」ではない。打者4人に計13球を投げた後だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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