世界初!日本がレールガンの洋上射撃試験に成功、未来には月面からのマスドライバーにも転用可能?
子どもの頃にテレビで見たこともあるSF技術「レールガン」実は、日本の防衛装備庁で世界に先駆けて既に実用化が進められているのです。本記事ではレールガンのご紹介と、宇宙開発への転用可能性についてご説明します。
■電気エネルギーを使って弾丸を発射する「レールガン」
レールガンとは、火薬の爆発力ではなく、電気エネルギーを使って弾丸を発射する兵器です。二本のレール間に電圧をかけ、弾丸に生じるローレンツ力により加速と射出を行います。
通常の砲台と比べ、2倍以上の速さであるマッハ6という驚くべきスピードで弾丸を発射します。さらに、射程は通常の5倍以上である、200kmという長距離へ届くことができます。しかし、超高速による射出でレールガンの損傷が激しく、2021年にはアメリカは開発を断念しています。
そして2023年、自衛隊は新兵器となるレールガンの洋上射撃試験を世界で初めて実施し、見事成功しました。 実用化に向けて着々と技術実証が進められており、120発射撃をしても性能が下がらないことが確認されました。そして、戦車に搭載されている砲台の射撃速度は秒速1750mに対し、レールガンですと秒速2750mを実現できるとのことです。
現在は、連射性能や射出された弾丸の安定した飛翔性能を高める研究を進めており、電源の小型化なども研究されているとのことです。
■レールガンは宇宙開発にも転用可能?
そして、このレールガンの技術が実用化できれば、宇宙開発への応用も可能となるかもしれません。
地球は大気が厚く重力が強いため、宇宙へ到達するためには大きな打ち上げシステムやロケットによるアシストなども必要になります。しかし、月や火星では大気が薄く重力も弱いので、ロケットなしで宇宙に到達させられるかもしれませんね。まさに、機動戦士ガンダムに出てくるマスドライバーそのものですが、もし実現したらと考えるとワクワクしてきますね。
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