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アップル、水中でのスマホ操作のUI特許を取得

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
出典:US10969941公報

最近のスマートフォンは防水性能も向上しています。しかし、いずれ何らかのブレークスルーにより、スマホを何の問題もなく裸のままで水中で使い続けることもできるようになり、たとえば、ダイビング中に水中で普通にスマホを操作するような状況も生じてくるでしょう。単にカメラのシャッターを押すといった単純操作だけではなく、文字入力やウェブ無頼ジングなどのより複雑な操作を水中で行う可能性も出てきます。このような水中での使用に適したUIもあるはずです。

先日、アップルの特許に関するサイトPatentlyAppleで、先日、そのような水中でスマホを操作する際のユーザーインターフェース(UI)に関する特許をアップルが取得したという記事を読みました。

特許番号はUS11875021、登録日は2024年1月16日、発明の名称は”UNDERSTER USER INTERFACE”とそのまんまです。しかし、PatentlyAppleの上記記事では触れられていないのですが、この出願は継続出願であって、親出願の方は既に2021年に特許化されていました。なお、米国以外での出願は確認されていません。

親出願の方の特許番号はUS10969941、登録日は2021年4月6日、発明の名称は”UNDERSTER USER INTERFACE”と同じです。実効出願日は2018年9月28日です。

これらは、あくまでも水中でのUIに関する特許であり、明細書では防水方法には触れていません。ポイントは、デバイスが水中にある時とない時でUIを切り替えることにあります(なお、デバイスが水中にあるかどうかを判定する仕組みについても触れられていません)。具体的には、水中では画面タッチではなくて強いプッシュでの操作、画面タッチではなく物理的なボタン(音量ボタン等)による操作、アイコンの数を減らすなどが開示されています。ちょっと冗長な明細書で、図面(タイトル画像参照)もあまり気合が入っていないので、ついでに出願してみたのではという感があります。

出願時点では、デバイスが水中にあるかどうかを検出して、それに応じてUI機能を切り替えるというだけのクレームでしたが、さすがにそれだけでの権利化は進歩性を否定され、ちょっとした限定が入っています。回避は可能とは思いますが、知らないと権利侵害してしまう可能性があるかもしれません。

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弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

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