高視聴率「半沢直樹」に見るこの企業と個人のキャリア観の変化
こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。
中途の人材採用支援をしつつ、月40万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、
Yahoo!ニュース上では2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
視聴率22%と好調な『半沢直樹』続編
TBS日曜劇場『半沢直樹』続編が大人気ですね。私も観ましたが、迫力ある演技や演出を観ているだけでもテンポ良く面白いですね。
まるで時代劇?というSNSで話題
ドラマ、エンターテイメントとしてとても完成度の高い作品で、人気の理由も納得なのですが、一部SNSで「時代劇を観ているようだ」と批判の声も目にしました。
要は、ドラマで描かれている銀行や大企業の社内政治というテーマそのものが、現代の日本においては時代錯誤である事を「まるで時代劇」と皮肉めいた表現をされているのだと思います。
逆に、日本経済の現状や、そうした環境下での大企業の厳しい先行きの中でさえ、あえて内向きな争いを演じる事自体の滑稽さこそが、ドラマの見どころや面白みになっているのだと思うのですが(笑)
SNSで批判をしている方々としては、要は、大企業さえも危機感が強く、こんな余裕のないご時世に内輪もめなんてやっている場合ではないという主張をされているのだと思います。
7/16日に、当社「すべらない転職」主催で「ぶっちゃけキャリアトーク」というyoutubeオンラインLIVEイベントを実施しまして、元リクナビNEXTの編集長の歴任されてきたルーセントドアーズ代表の黒田さんにご登壇いただきました。
※ご出演:ルーセントドアーズ株式会社・黒田 真行さん、株式会社morich・森本千賀子さん、株式会社ミライフ 佐藤 雄佑さん
その際に、黒田さんが「大企業も遂にお手上げ状態」と表現されていらっしゃいましたが、今の日本や日本の大企業はいよいよそういった状況になっているのだと改めて感じました。
以前、トヨタ社長の"終身雇用難しい発言"が話題になりましたが、大手企業もかなり強烈な危機感を持っており、待ったなしで変革をしていく時なのだと思います。
況してやコロナショックを契機に、変革せざるを得ないといった形で変化スピードが加速しています。
求められる会社の変化。個人の変化
大企業の経営陣の危機感はよほどのものと思いますが、それでは、そこで働くいち社員や、これから就職活動を控える学生の方々はどのように考えていくべきでしょうか。
前述のyoutubeオンラインLIVEイベントで、登壇者の皆さんが一様に仰っていた事として、もともとの時代の流れと同時に、コロナを契機に、個人も働き方や人生をより柔軟性を求める傾向が強まっている。
そうした個人の働き方の柔軟性にいち早く対応できる会社しか選ばれないというお話でした。
しかし、それは同時に、そうした柔軟性の高い働き方が許容されるビジネスパーソンは、一部のキャリアのツワモノに限った話でもあります。
つまり、会社側から選ばれるビジネスパーソンでなければ、働き方の柔軟性や自由を主張しても、選ぶ事さえできないという事です。
そんな状態ですと、仮に現職の役員や管理職の不毛な派閥争いや政治に巻き込まれて疲弊していたとしても、外に飛び出して魅力的な会社に乗り換える事もままなりません。
また、今回のコロナショックなど有事が起きて、務めていた会社が傾いたりリストラされてしまうという事も、いまや珍しい話でもなくなってきています。
会社も変化が求められてきますが、個人も変化していかなければなりません。
これからの個人のキャリアにとって重要な柔軟性
私は、これからの個人のキャリアにおける、いや人生における幸福のキーワードとなるのは、「柔軟性」だと考えています。
つまり、時代や会社など環境変化が起こったとしても、また自分の価値観やライフスタイルが変化したとしても、しなやかにキャリアや仕事を変えていけるだけの選択権を常に保持している事が大切になると思うのです。
これからは、会社が求められる役割や努力だけしていても報われにくく、少なくとも柔軟性は高まりません。
再現性や汎用性の高いキャリアやスキルを、戦略的に獲得し続ける事で、常に自分が多くの会社から引き合いを得られ、選べる側になっていく事が大切です。
私事で恐縮ですが、8月3日に実業之日本社さんからビジネス書籍「キャリアロジック」を出版予定なのですが、こちらの内容でも、これからのビジネスパーソンに求められる再現性、汎用性の高いキャリアの作り方について書かせていただきました。
・「キャリアロジック 誰でも年収1000万円を超えるための28のルール」 (末永 雄大)
これからの時代、キャリアは決して意識高い系のビジネスパーソンだけのものではなく、普通の人にとっても必須なリテラシーの1つになってくるのではないでしょうか。