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今夏配信の人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』続編が話題。NY撮影地にファン集まる

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
キャリーが住んでいたアパートを訪れたSATCファン。(c) Kasumi Abe

ニューヨークを舞台に、90年代後半から2000年代前半にかけて一世を風靡したドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』(Sex and the City=SATC)。その続編が2021年12月、『And Just Like That…(セックス・アンド・ザ・シティ新章)』として蘇り、日本でも話題になった。

配信元のHBOマックスは昨年3月、『セックス・アンド・ザ・シティ新章』の続編となるシーズン2の制作に入ることを発表していたが、ここにきて続報が入ってきている。

米各紙(エル誌、ヤフー・エンターテインメントなど)の報告によると、シーズン2の配信開始は今年の夏ごろのようだ。そしてドラマの舞台、ニューヨークでの撮影の模様もいくつか伝えられている。

 冒頭の写真と同じロケーションで行われた撮影風景(昨年11月)。
冒頭の写真と同じロケーションで行われた撮影風景(昨年11月)。写真:REX/アフロ

HBOマックスの公式インスタグラムでは、サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーのかつてのボーイフレンド、エイデン(ジョン・コーベット)との復縁を匂わせるシーンもアップされ、ファンの間で話題だ。

この人気ドラマシリーズの新作を待ちわびているファンの間では、ドラマ撮影地を巡るツアーも好評だ。

ドラマに登場した市内のバーで1杯。(c) Kasumi Abe
ドラマに登場した市内のバーで1杯。(c) Kasumi Abe

撮影地を専用バスで廻る「Sex and the City ホットスポットツアー」には、この日13人が参加した。うち2人は男性で、いずれもドラマは観ていないが連れの女性に誘われて参加したという。残り11人は全員、SATCファン。全米のみならずヨーロッパからの参加者もいた。サラ・ジェシカ・パーカー世代かと思いきや、意外や意外、20代や30代の女性が多かった。

ツアーを主催する「On Location Tours」のツアーガイド、ルー・マシュー(Lou Matthew)さんによると、『セックス・アンド・ザ・シティ新章』の影響もあって、撮影地を巡るツアーは今も多くの参加者から依頼があるという。若い世代がこのドラマに関心を寄せる理由については、母親の影響だと語る。

「『SATC』の熱狂的なファンだった親が娘へその面白さを伝えることで、娘もストリーミングやDVDで昔のドラマをチェックするなど、名作SATCは、親から子へしっかり受け継がれているようです」

ツアー参加者に撮影地を案内する、マシューさん(左)。(c) Kasumi Abe
ツアー参加者に撮影地を案内する、マシューさん(左)。(c) Kasumi Abe

ロンドンからニューヨークを旅行中のミラさんは、自身の誕生日に彼にお願いし、このツアーにカップルで参加した。「イギリスでもこのドラマはすごく人気です。ツアーでいろんな撮影スポットを実際に訪れて目にすることができ、それぞれのシーンが当時自分が抱いた感情と共に蘇ってきました」と嬉しそうに語った。

一行は、キャリーが住んでいたダウンタウンのアパート(タウンハウス)も訪れた。「このビルの所有者は44年前に60万ドル(約7800万円)で購入したものなんですよ」とマシューさんは豆知識も紹介。現在の価格はビルが売りに出されていないため不明だが、「隣のビルが8年前に売りに出されていた時の価格は1800万ドル(約23億円)でした。不動産価格の高騰で現在の価値はさらに高いでしょう」(マシューさん)。

ツアーはこのほかにも、ドラマに登場したトレンディなレストランやバー、カップケーキの店など市内数ヵ所を廻った。

ファンはしばし撮影地を訪れてドラマに思いを馳せながら、新作の到来を首を長くして待っているようだ。

(Text and photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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