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【目黒区】懐かしくて新しい日本の風景「ホテル雅叙園東京」で企画展開催中。旧・目黒雅叙園の歴史も

Chikuwa地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

「ホテル雅叙園東京」の敷地内にある東京都指定有形文化財「百段階段」で、年末年始にかけて開催されている企画展「懐かしく新しい~レトロ~を旅する 古今東西ニッポンの風景」、もうご覧になったという方はいらっしゃいますか?

私はつい先日おじゃましてきました。

東京都指定有形文化財「百段階段」
東京都指定有形文化財「百段階段」

今回の企画展は文化財「百段階段」の7つの部屋に、その土地ならではの景色や食、温泉、お祭り、民藝など、地域の歴史や風土を形作るコンテンツが登場。
「ニッポンの風景」を旅するように楽しみながら、ワクワクするひと時を満喫できる内容となっています。

また「旧・目黒雅叙園」開業当初からのパンフレットや新聞広告などの貴重な歴史資料なども合わせて紹介中。
目黒に長くお住まいの方なら「ホテル雅叙園東京」よりも「旧・目黒雅叙園」という呼び名の方がしっくりくるという方も多いですよね。

企画展では郷愁を誘う古くからの懐かしい日本の風景でありながら、現代的なアート感覚と融合した不思議な世界観をたっぷり楽しんできました。

旅館の玄関に見立てた渡り廊下から始まる企画展

文化財「百段階段」へとつながる渡り廊下では、ちょうど旅館に到着し、玄関で靴を脱ぐというシーンを想定した演出。
実際にここで靴を脱ぐので、かなりリアリティがあります。

老舗の旅館を訪れたような調度品の数々が、旅先で過ごす楽しい時間を追体験させてくれます。

誰が誰とどんな目的でこの旅館を訪れたのか、想像力をかきたてる「十畝の間」

「十畝の間」
「十畝の間」

文化財「百段階段」一つ目のお部屋は「十畝の間」。まるで一昔前にタイムスリップしたような趣ある旅館の客室が設えてありました。

作家が温泉旅館に缶詰めになり、文学作品を書いているのかな、など、想像をかきたてる演出。

置かれている調度品にも歴史や物語を感じます。

賑やかでおめでたい日本の祝祭を演出する「漁樵の間」

「漁樵の間」へと続く廊下
「漁樵の間」へと続く廊下

二つ目のお部屋は豪華な彫刻や装飾が素晴らしい「漁樵の間」。こちらでは日本のお祭りや祝祭の様子を演出したお部屋となっています。

ずらりと並ぶキツネのお面。神社の祭りばやしが聞こえてきそうです。

縁起物を飾っているコーナーも。

壁に描かれている女性たちの様子と酒樽をうまくマッチさせてレイアウト。まるでお花見を楽しんでいるようにも見えます。

お正月やお祝いの席で使われる飾りや米俵、朱桶など、贅を尽くした「漁樵の間」にぴったりな華やかな演出でした。

旅先で出会うお土産物、さまざまな表情の「こけし」が一堂に会する「草丘の間」

三つ目のお部屋「草丘の間」では東北地方によくみられる伝統工芸品、こけしがずらりと展示されていました。

こけしはろくろで挽いて造られる木製の人形玩具。一般的には丸い頭に円筒状の胴という姿で知られています。

しかもよーく見ると、1体1体、姿形や表情も全然違います。作られた地方によっても特色がありました。

こけしは江戸時代後期に、東北の温泉地土産として作られたのが発祥なのだとか。

昔ながらのこけし以外にも現代風の創作こけしや木地玩具など、いろいろな種類が展示されて楽しめました。

カラフルな色使い、ポップなデジタルイラストがいっぱいの「静水の間」

ポップなデジタルイラストで、想像上の商店街や建物を表現した中村杏子さんの作品が飾られているのが四つ目のお部屋である「静水の間」。

中村杏子さんは京都出身のイラストレーターで、カラフルな色使いでレトロな町並みや建物を描いた作品が20点、展示されていました。

家人を含め、お部屋を訪れた人たちから思わず「わーカワイイ!」という声が漏れていました。

懐かしくもあり、新しくもあり。不思議な世界観です。

今回展示されていた作品は、中村杏子さんの作品集「郷愁的商店街図集」「家内幸福」から、想像上の商店街や建物を描いた作品をピックアップ。

二次元の世界に迷い込んでしまったような、非現実的だけどどこか懐かしく新しい世界観を満喫できました。

最近ではあまり見かけなくなったネオン管が妖しく誘う温泉街の世界「星光の間」

五つ目のお部屋は妖しいネオンが灯る近未来的な温泉街へ迷い込んだような「星光の間」。裏路地のような細い廊下を抜けた先にあります。

「星光の間」へと続く渡り廊下にもイラストの暖簾
「星光の間」へと続く渡り廊下にもイラストの暖簾

ここでははらわたちゅん子さんが描く二次元作品を、実際のネオン管で再現した立体展示や、線画イラストをアクリルパネルとライトで仕上げたカラフルな作品を展示しています。

はらわたちゅん子さんは、異国の喧噪や日本の路地にインスピレーションを得ながら、イラストとタイポグラフィを融合させたネオンサイン調の作品を制作しているアーティスト。

架空の温泉街にある看板を表現
架空の温泉街にある看板を表現

架空の温泉街の看板を描いた「ゆのまちネオン」は、どこかで見かけたような懐かしさと近未来的な新しさ、ポップなかわいらしさも備えた不思議な世界観を生み出しています。

ネオン管はガラス管にネオンなどの不活性ガスを封入。電流を流して放電させて発光させるランプのことです。

ガスが発光することでやわらかな光を放ち、LEDでは表現できない妖しくも温かな雰囲気が特徴。最近、街ではあまりみかけなくなりましたね。

今回展示されている作品の一部は本物のネオン管を使用しているそうですよ。

華やかな宴会などが繰り広げられてきた「旧・目黒雅叙園」の様子を偲ばせる「清方の間」

六つ目のお部屋「清方の間」では「旧・目黒雅叙園」時代の貴重な資料や建具などを展示。

文化財「百段階段」がどのように作られたのか、総合結婚式場として使われていた頃の姿や華やかな宴会場としての歴史などを紐解く内容となっています。

宴会場で出されたお料理の内容や飲み物などを紹介したパンフレットも展示。当時のメニューや値段などもわかります。

建物の装飾などに使われた金具など、「美術の殿堂」としての華やかかりし時代の「旧・目黒雅叙園」の様子をうかがい知ることができる大変貴重な機会。江戸時代からの行楽地となった目黒の歴史も感じられる内容でした。

日本全国の旅先で出会うレトロでカワイイ「地元パン(R)」の世界「頂上の間」

最後の七番目のお部屋「頂上の間」では、文筆家である甲斐みのりさんの「日本全国 地元パン(エクスナレッジ刊)」の世界をご紹介。全国を旅しながら出会った地域に根付くパンを約500個収録した「地元パン(R)」への愛にあふれる一冊となっています。

甲斐みのりさんが蒐集したパッケージ
甲斐みのりさんが蒐集したパッケージ

会場では甲斐みのりさんが蒐集したパンの袋を展示。その土地ならではのどこか味わい深いパッケージデザインやタイポグラフィーを楽しめる展示でした。

「地元パン(R) ミニミニスクイーズ」
「地元パン(R) ミニミニスクイーズ」

上下写真は「地元パン(R) ミニミニスクイーズ」と「地元パン(R)文具」です。

地元パンのパッケージを精巧に再現。上写真の一番上に並んでいる食パンやサンドイッチのボックスは、中に入っているパンも本物そっくりに造形しているそうです。

その下に並んでいるのは文房具で、シールやクリアファイルセット、ミニレターセットなど、どれも思わずほしくなってしまうかわいらしさ。こちらはミュージアムショップで購入可能です。

いかがでしたでしょうか。ざっと駆け足でご紹介してきた企画展「懐かしく新しい~レトロ~を旅する 古今東西ニッポンの風景」は、2023年12月25日(月)~12月31日(日)の期間を除き、2024年1月14日(日)まで開催されています。

年内はスケジュール的に厳しい、という場合はぜひお正月明けに訪れてみてはいかがでしょうか。

「懐かしく新しい~レトロ~を旅する 古今東西ニッポンの風景」開催概要
【開催期間】2023年12月2日(土)~12月24日(日)/2024年1月1日(月・祝)~1月14日(日)
※2023年12月25日(月)~12月31日(日)は休館
【開催時間】11時~18時(最終入館17時30分)
【開催場所】ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
詳しくはこちら≫

■取材協力

ホテル雅叙園東京

【文化財・百段階段概要】
ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
住所:東京都目黒区下目黒1-8-1
問合せ先:03-3491-4111(代表)

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

コピーライターからWebライターへ転身。アロマセラピスト・整体師としても時々活動しています。趣味はカンフー(八卦掌・長拳)と古代史(関裕二先生のファン)。目黒区の魅力やおもしろいところを発信していきます。取り上げて欲しい目黒の穴場や情報もぜひお寄せください!

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