秋に取れる山菜 水辺で花咲くミゾソバは戦国時代から利用されてきた古の味わい 素朴な混ぜご飯
ミゾソバのミニ知識
ミゾソバは北海道から九州までの水辺や湿地帯に分布するタデ科の一年草の植物です。
名前の由来は見た目が同じタデ科の植物ソバ(蕎麦)に似ている事から来ています。
花の色は白い個体が多いのですが色変わりもあります。
同じミゾソバでも時には薄紫色の花を咲かせる個体もあります。
食用のソバ(蕎麦)に近い植物で、ソバに似ている小さな実を付けます。
但し、その実はソバと比べるとだいぶ小さな実です。
現在ではミゾソバの実は食用としてはほぼ利用される事はありませんが、その昔には飢饉に備えて水田の脇で非常用の食料として栽培されていた事もあったそうです。
現在でも一部の野草好きな人達からは春の野草として若い芽や葉を食用や薬用として利用されています。
葉の形は朝顔の葉のような形で、葉の表面には特徴ある斑紋が入ります。
いにしえの食用植物とも言えるミゾソバを味わうには春の芽吹きの頃も良いですが、秋の開花期には目立つ花のおかげで簡単に見つけることが出来、葉と共にこの花も食材として利用する事ができます。
ミゾソバを採取する時の注意点
ミゾソバは水辺に生えている事が多いので、足などが水に浸かって濡れても大丈夫な服装が良いでしょう。
ミゾソバの茎には微細な棘が付いています。
素手で触っても皮膚に刺さるほどの物では有りませんが、念の為に植物を触る方の手にだけ手袋を装着すると良いでしょう。
園芸用や調理用のハサミを使って花の付いた茎を切り取って持ち帰ります。
根本近くの大きな葉は硬いので先端から3〜4枚ほどの葉を付けた部分で切り取ると良いでしょう。
ミゾソバご飯の作り方
花と葉を別けて集めます。
花に見える部分は米粒状の蕾であったり、既に種子が出来かけた閉鎖花である事も多いですが、この蕾や閉鎖花も花と一緒に集めます。
次に葉を集めるのですが、葉はなるべく柔らかそうな物だけを集めます。
花蕾と葉を別々の柄付きの小型金属ザルに入れます。
この柄付きの小型金属ザルは新たに揃えるならコスパの点から100円均一の商品がお勧めです。
この小型金属ザルに入れた花と葉を熱湯に短時間(約1分前後)浸します。
花蕾は熱湯から上げたらそのまま30秒ほど置いて熱気で水分が飛ぶのを待ちます。
あらかたの水分が飛んだら少量の酢を加えて3分ほど置いておきます。
その後、酢を絞ってから小皿に盛ります。
花の方の調理はこれで完了です。
この花は出来上がったミゾソバご飯のトッピングとして使います。
葉は熱湯に約1分前後浸します。
熱湯から上げたら直ぐに流水に入れ、そのまま3分間ほど晒してアク抜きします。
アク抜きが済んだら水気を絞ります。
細かく刻みます。
塩少々と煎りゴマ適量を加えて混ぜ合わせておきます。
ここまで出来たら少し硬めの水加減でご飯を炊きます。
炊きあがったご飯に塩少々と煎りゴマ適量を加えて混ぜておいたミゾソバの葉を加えて混ぜ合わせれば出来上がりです。
食べる時にお好みで花蕾をトッピングして、または混ぜ込んで頂きます。
ミゾソバは苦味が強い野草ですが、この苦味こそがミゾソバの滋味でもあります。
秋の日に、いにしえに思いを馳せつつ食すミゾソバご飯もまた風情があるものです。
最後までご覧頂きありがとうございます!!
この記事は動画でもご視聴頂けます↓