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白キャン解散直前インタビュー:鈴木えま「忘れられない一日にしたいし、めっちゃアイドルしたい」

宗像明将音楽評論家
鈴木えま(株式会社PLAYYTE提供)

7人組アイドル・グループの真っ白なキャンバス(通称:白キャン)が、2024年11月4日に幕張メッセ幕張イベントホールで解散ライヴ「明日も変わらない1日を」を開催し、7年間の活動に終止符を打つ。

解散ライヴに向けての7人の個別インタビューの2番目は鈴木えま。最近SNSを通して知名度を大いに上げているメンバーだ。その鈴木えまは、解散ライヴの話題になると言葉が少なくなる。鈴木えまの「悲しい」という言葉に込められた想いを聞いた。 

最後までやりきるぞ、でもやっぱ悲しい

――解散が決まって、ライヴや特典会で変わったなと思う部分はありますか?

鈴木えま 今までも真面目にやってたんですけど、もう数えるぐらいしかライヴがないから、今まで以上に思いが強くて、ファンの人にも感謝を伝えられるようなライヴを対バンでもするようになった感じです。夏フェスも「これで最後だな」って噛みしめてました。

――最近のライヴを見ていると、ステージの端から端まで動いているし、表情もすごく意識しているなと感じます。

鈴木えま ありがとうございます(笑)。意識してる……って言ったらなんかおかしいけど(笑)、最後まで楽しく終わりたいから、ファンの人のことを今まで以上に楽しませらるれように、どんなライヴでも「今日来て良かったな」って思ってもらえるように頑張っている気持ちです。

――5月22日に解散を発表して、最後の日々をどんな気持ちで過ごしてますか? ここから沖縄、台湾、インドネシア(9月末から10月上旬にかけて遠征)と怒涛の流れがあるんですけど。

鈴木えま けっこう楽しみかも。だって、白キャンが終わっちゃったら、海外遠征をする機会もないだろうし。インドネシアも台湾も沖縄もファンの人がいなかったら行けるところじゃないから、行けて嬉しい、って感じ。インドネシアや台湾に日本から来てくれる人もいるし、いろんな地方から来てくれる人もいるから、みんなと最後に思い出ができたらいいな、って思ってます。

――あと2か月(取材時)となって、気持ちの変化みたいなものはありますか?

鈴木えま いや2か月ってなったら、めっちゃ変わって。解散を発表したときはまだ実感が湧いてなかったんですけど、夏が終わりかける辺りで、「これで白キャン最後です」って言ったりするイベントがどんどん増えて、自分も「本当に解散しちゃうんだな」って実感も湧いてきて悲しいです。悲しいっていう気持ちはあるけど、最後までやりきるぞ、っていう気持ち。でも、やっぱ悲しいです。

2024年10月14日なんばhatch公演の鈴木えま(撮影:真島洸/提供:株式会社PLAYYTE)
2024年10月14日なんばhatch公演の鈴木えま(撮影:真島洸/提供:株式会社PLAYYTE)

今はSNSを頑張らないと集客につながらない

――鈴木さんは2020年に辞めて、2021年に再加入しましたね。白キャンを辞める前と再加入後で変わった部分ってありました?

鈴木えま けっこうあります。再加入したとき、自分がいたときの白キャンといい意味で変わってて。辞める前の白キャンってけっこうフワフワしてたけど、自分たちが再加入するときには、けっこう厳しくなってて。今まで自分は他のメンバーに任せちゃってたのがけっこうあって、もう「自分なんかがやんないほうがいい」みたいな感じのマインドでいたけど、そういうのも変わって、「任せっきりは良くない、自分で動かなきゃダメだな」みたいな。辞めた頃よりアイドルがSNSの文化になってたから、いろんな人のSNSを見て、「こうしよう」とか思ったりして。今はSNSを頑張らないと集客につながらないし、自分はライヴのパフォーマンスで他のメンバーよりもダメな部分も多いから(笑)、「SNSを頑張ろう」ってなったのはあるけど、でも改善できるものは自分で「こうしよう」って考えて、だいぶ変えてった感じです。

――今、InstagramのリールやTikTokから鈴木さんを知る人が多いし、SNSのフォロワーも増えてますね。手応えはありますか?

鈴木えま あります。最近ちょっと止まっちゃってたんですけど(笑)、インスタはマジ毎日投稿してて。再加入したての頃は、自分の友達がインスタで毎日投稿してて「マジですげえな」と思いながら、自分は絶対できないって思ってたけど、習慣にしたら自分もできるし、やっぱすればするほどどんどん伸びていったから、絶対やったほうがいいなっていう気がします。

――白キャンに入ってから忘れられない思い出はありますか?

鈴木えま 忘れられない……難しい(笑)。「これが」って感じじゃないかな。それこそ、この間の最後の「MARQUEE祭」に出たときとか(2024年9月10日)。白キャンが最初「MARQUEE祭」に呼んでもらったときって、もう朝とかだったじゃないですか。自分、「MARQUEE祭」にけっこう思い入れがあって、呼ばれたぐらいから白キャンがどんどん伸びていった気持ちがめっちゃ強かったから。呼ばれるたびに、イベントのフライヤー画像で白キャンがどんどん上になって、「おお」みたいな気持ちになってたから。他のイベントも、最初はもう朝とかに出てたけど、今はそんなことなくて、「白キャンいい感じなんだな」って、めちゃめちゃ目に見えてわかるじゃないですか。自分たちじゃなくて他の人たちが決めてることだし、「いいな」ってなったし、夏フェスもどんどん人が集まって、白キャンになったら、他のとこから走ってきてくれるのもすごい嬉しかったです。

2024年10月14日なんばhatch公演の鈴木えま(撮影:真島洸/提供:株式会社PLAYYTE)
2024年10月14日なんばhatch公演の鈴木えま(撮影:真島洸/提供:株式会社PLAYYTE)

解散は折り合いがつかない

――解散することは、自分の中でどう折り合いをつけているんですか?

鈴木えま えー、折り合いがつかない(笑)。でも今、白キャンを好きな人、応援してくれる人が大事だと思うから、今はそういうファンの人たちに感謝を伝えていこう、っていう気持ちです。

――解散ライヴが幕張イベントホールと聞いてどう思いましたか?

鈴木えま うーん、白キャンは「幕張に行きたい」みたいな感じだったけど(笑)、自分はアイドルとして武道館に立ってみたかった気持ちもあります。でも、幕張も立ちたかったから嬉しいけど、武道館も立ってみたかったな、っていう気持ちがちょっと心残り。

――解散ライヴ当日に幕張のステージに立ったらどんな気持ちになると思います?

鈴木えま 「これで白キャン最後なんだな」ってなると思う。

――解散ライヴはどんなものにしたいですか?

鈴木えま うーん、やっぱ忘れられない一日にしたいし、めっちゃアイドルしたい(笑)。

――今はステージですごくアイドルしていると思いますよ。最後は泣くと思います?

鈴木えま いや、泣くと思います(笑)。でも、最後は一番楽しいライヴにしたいな、って。自分もお客さんも。

真っ白なキャンバス(株式会社PLAYYTE提供)
真っ白なキャンバス(株式会社PLAYYTE提供)

真っ白なキャンバス ラストライブ『明日も変わらない1日を』

2024年11月4日(月・祝)

幕張メッセ 幕張イベントホール

開場:17:30 / 開演:18:30

https://shirokyan.com/news/3632/

音楽評論家

1972年、神奈川県生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。著書に『大森靖子ライブクロニクル』(2024年)、『72年間のTOKYO、鈴木慶一の記憶』(2023年)、『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』(2016年)。稲葉浩志氏の著書『シアン』(2023年)では、15時間の取材による10万字インタビューを担当。

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