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クローザーの加入により、ここ2年に防御率1.83の左腕がロースター外となる。他球団の獲得は必至!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・ゲイジ May 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月22日、ヒューストン・アストロズは、ジョシュ・ヘイダーを40人ロースターに加え、代わりにマット・ゲイジを外した。

 ヘイダーとの契約については、こちらで書いた。

「3年間に90セーブのクローザーがいるのに、3年間に103セーブのクローザーと大型契約。必要なのか」

 40人ロースターに空きがなかったため、アストロズは、ゲイジとヘイダーを入れ替えた。

 ともに左のリリーバーである2人は、年齢も近い。ゲイジは30歳、ヘイダーは29歳。それぞれ、2月と4月に誕生日を迎える。

 ドラフト順位は、ゲイジが2014年の10巡目・全体298位、ヘイダーは2012年の19巡目・全体582位。ここの2シーズンの防御率は、ゲイジが1.83、ヘイダーは3.13だ。

 ただ、ここ5シーズンのうち、ヘイダーが30セーブに届かなかったのは、短縮シーズンの2020年しかない。ちなみに、4年前は、ナ・リーグ最多の13セーブを挙げた。

 一方、ゲイジがメジャーリーグで投げたのは、2022年の11試合と2023年の5試合に過ぎない。セーブとホールドは、どちらも皆無。主に、モップ・アップ(敗戦処理)として登板した。

 これまでの解雇は3度を数え、メジャーデビューも29歳と遅かった。2018年と2020年は、独立リーグでも投げている。

 2023年も、メジャーリーグでは防御率2.70――失点と自責点は、鈴木誠也(シカゴ・カブス)に打たれたホームランによる2点だけ――ながら、AAAの防御率は4.58と高かった。それぞれ、5登板の6.2イニングと34登板の37.1イニングだ。

 もっとも、トロント・ブルージェイズにいた2022年は、メジャーリーグの11登板で13.0イニングを投げ、防御率1.38を記録しただけではない。AAAの41登板は、42.1イニングで防御率2.34だった。

 また、左打者に対しては、メジャーリーグとAAAを合わせて、2022年が被打率.086(81打数7安打)と被出塁率.149、2023年は被打率.203(64打数13安打)と被出塁率.278だ。

 ブルペンに、2人目あるいは3人目の左投手を欲している球団が、その候補の一人として、ゲイジの獲得に動いてもおかしくない気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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