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日本サッカー界の例外。鹿島はなぜ後半に強いのか

杉山茂樹スポーツライター
(写真:アフロスポーツ)

 29日、サウジアラビアがUAEに1−2で敗れたため、日本はオーストラリア(31日)に敗れても、最終戦のサウジアラビア(9月5日)に引き分ければ、本大会出場が決まることになった。

 ハードルはぐんと下がった。ラッキーとはこのことである。しかし、本大会出場はまだ決まったわけではない。決まったとしても、本大会に向け、高い期待を寄せられる状態にない。過去の予選と比較すれば明白だ。アジアの国々との対戦を通して、強さというか、格上感を見せつけることができていない。98年フランスW杯予選当時に、逆戻りした感がある。

 手応えがないのだ。行ける! という実感だ。多くの不確定要素によって占められるのがサッカー。絶対はない。手応えがあっても、負けることはある。これは確率の話になるが、ハリルジャパンを語るなら、ベースになるのはこれまでの27試合だ。過去を眺めれば、今後は読める。突然変異に期待するのは楽観的と言わざるを得ない。

 協会の新監督を探す力に対しても、よい監督を連れてきそうな手応えを感じないので、ハリル解任を声高に叫ぶ意欲は正直、いまひとつ湧いてこない。手応えが感じられない世界。日本サッカー界を一言でいえば、そうなる。

 したがって、例外は目立つことになる。

 代表マッチウィークを控えた先週末のJリーグは、首位の鹿島対2位セレッソ大阪の直接対決が行われた。結果は鹿島の1−0。セレッソが勝ち点7差の5位に後退したのに対し、鹿島は2位に浮上した横浜マリノスに勝ち点5差をつけ、首位の座を揺るぎないモノとした。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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