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東京都「私立高校の実質無償化」やはり私立の高校を受験すべき?向いていない人は?

あき/家計管理アドバイザー家計管理アドバイザー

東京都は、都内に住む高校生を対象とした授業料支援の所得制限を撤廃し、私立高校を含めた全ての高校で授業料を実質的に無償化する方針を示しました。

私立高校の授業料が実質無償化と考えると、やはり私立の高校を受験した方が良いのでは?と迷う人も増えるのではないでしょうか。

今回は、私立高校の実質無償化にともない、私立高校の受験を検討する場合の注意点や、それでも私立高校の受験に向いていないと考えられる世帯について考えてみましょう。

注意点1:私立高校では、無償化の対象にならない支出も多い

私立高校の実質無償化と言っても、無償になる部分は限られています。当然のことですが、無償化の対象にならない部分については、自己負担が生じます。
通常かかる費用のほか、遠方の場合は通学定期代が高額になることや、熱心な部活動に加入した場合は、部活動のための費用が高額になる場合も考慮する必要があります。
なかには、自由とはいえ、寄付をしなければ体裁が保てないと感じるような校風の学校もあるようです。
このような費用を負担と感じるご家庭は、いくら無償化とはいえ、安易に私立を選択するのは控えた方が良いでしょう。

注意点2:お付き合いする友人の生活レベルが高いこともある

筆者の周囲にもお子さんが私立高校に通っているご家庭は多くありますが、「周りの生活レベルが高い」という声をよく聞きます。
学校にもよりますが、子どもの月々の小遣いの額が数万円、持ち物全てがブランド物、というご家庭のお子さんと同等にお付き合いするための費用が必要になる場合もあります。
私立高校では、アルバイトを禁止している場合もありますから、小遣いで足りない分は子どもがアルバイトで稼げばよいと安易に考えられない場合もありますので注意しましょう。

注意点3:塾の費用も念頭に入れて

私立高校のなかでも、進学校にあたる高校では、手厚く勉強をみてくれる学校もあれば、個人の裁量に任せるといった学校もあるのが現状です。

私立高校に通いながら、さらに塾や予備校の費用がかかるようになると、無償化とはいえ、家庭の負担はかなり大きくなります。

反対に、面倒見が良く塾のいらない私立を選択したご家庭では「公立で塾や予備校に通わせていると思えば、私立の方が安い」という人もいます。大学進学までの活動費も視野に入れて検討しておくと安心です。

注意点4:下の子とのバランスを考えて

下の子がいるご家庭では、上の子の学費と下の子の塾代が同時にかかるご家庭や、2人分の私立の費用が同時にかかるご家庭もあります。近隣に大学がないご家庭では、兄弟それぞれで一人暮らしをさせなくてはならない場合もあります。

1人なら問題なく支払える費用も、2人分、3人分となると大きな負担に感じるご家庭も増えてきます。下の子にも上の子と同じことをしてあげられるかを念頭に入れた上で選択すると、兄弟間の不平等がなくなります。

まとめ

無償化だからと安易に飛びつくと、思ったより費用の負担が大きいと感じるご家庭も多く見られます。
これまでは、費用の面で選択できないと考えていた私立高校を視野に入れる場合は、上記のような点を含めて考えたうえで、お子さんの適正に合わせた選択をしたいものです。

家計管理アドバイザー

家計簿・家計管理アドバイザー。東京都在住。子供3人の5人家族の主婦。家計簿歴20年以上。主婦業、家計簿、家計管理、ポイ活などが専門。テレビ出演や雑誌などへの掲載多数。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」「ズボラ家計簿」練習帖(講談社)など。

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