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スポーツと心の成長:健全な肉体に健全な精神が宿りますように

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
2020 東京五輪 卓球 女子 シングルス 表彰式 伊藤が銅メダル(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

■健全な肉体に健全な精神が宿る

東京オリンピック2020。多くの課題を抱えたまま始まりましたが、連日のメダルラッシュで盛り上がっています。

「健全な肉体に健全な精神が宿る」。スポーツに関する有名な言葉です。ただ、スポーツマンだからといって、みんなが良い人というわけではないという人もいるでしょう。たしかにそうです。素晴らしい人もいれば、そうでない人もいるでしょう。

実はこの言葉は、もともと祈りの言葉だったそうです。「健全な肉体に健全な精神が宿る」ではなく「健全な肉体に健全な精神が宿りますように」です。

それでももちろん、多くの親たちは、子供の体を鍛え、心を成長させるためにスポーツをさせます。スポーツにはその力があるでしょう。

オリンピックメダリストで、人柄、人格的にも称えられる人たちが大勢います。卓球の伊藤選手も、強くて、そして愛される人柄ですね。

■スポーツとセルフイメージ

私たちの人生にとって、自分自身のことをどう見るかというセルフイメージ、自己概念はとても重要です。ポジティブなセルフイメージを持つか、それとも、どうせこんな私なんてといったネガティブなセルフイメージを持つかによって、人生が変わります。

スポーツ活動において、自ら選び取り、努力して成長していくという体験は、ポジティブなセルフイメージの獲得にとって、とても良い効果があります。

肯定的なセルフイメージが持てれば、幸福感が増し、生活満足度が高まり、ストレスに強くなり、不安も下がることが、研究によってわかっています。

ただし、大きな影響力があるからこそ、スポーツ体験が逆の効果をもってしまう危険性があることも忘れてはいけません。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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