アイドルの反抗期
10月1日放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ)のゲストはSexy Zone・中島健人と中島が「僕にとっては神様のような存在。めちゃめちゃ影響を受けました」という東方神起。
最初は、中島だけが登場し、松本人志と中居正広と3人でトーク。
その中で、中居がもうすぐ30代に突入する中島に自身の経験を元に語った「アイドル論」がとても興味深かった。
中居は、日本におけるアイドルの魅力は「未完成」のことであるとして語り始める。
本人たちは、一人前として認められたいし、プロとしてのプライドもある。しかし、周りからは素人っぽさを求められる。そこにギャップがあり、ジレンマが生じてしまう。
そこで、金髪にしたり、ヒゲを生やしたり、ビジュアルから変えがちだと中居は笑って振り返る。「僕ですら髭伸ばしたことがありますから。で、伸ばして、あ、ヒゲ似合わないんだって(笑)」と。
そして自身のようなアイドルが置かれていた利点が、逆に苦悩を生んでいたことを告白する。
それを聞いて中島は「本物じゃないって気づくのも今の歳だし、本物にならなきゃいけないと気づくのも今の歳なんですよね」と共感を寄せている。
日本におけるアイドルを取り巻く特異な状況とその当事者の心境がよくわかり、とても興味深かった。
中島がリスペクトして会いたいと呼んだのが「完成」と評す東方神起だったことも象徴的だった。
(※この模様は10月8日までTVerで視聴可能)
お笑い芸人のトガリ
芸人にとっての「反抗期」は、いわゆる「トガリ」期だろう。
翌日深夜に放送された『ソウドリ』(TBS)では、くりぃむしちゅー・有田哲平が平成ノブシコブシ・徳井とともに「トガリ論」を語っていた。
その時期が、いつ頃かと言えば、有田は「アマチュアからプロになった瞬間だろうね」と持論を展開する。「『俺はもうお前らとは違うよ、笑いの取り方のレベルが高いからね』っていうのを見せなきゃ恥ずかしいんだろうね」と。
アイドルの反抗期がデビューしてからしばらく経ってからやってくると中居は語ったが、芸人のトガリは、デビューしてまもなく訪れる。その違いが興味深い。
有田も、天然な部分があったマネージャーが、スタッフらの中心で爆笑を生んでいたのを見て「敗北感」を味わい、「俺たちが学生の頃、部室でやってたのっていうのはただ笑いを取りたいからしつこく先生をイジったり、ケツ出したりとかしてた」ことを思い出し、トガリがとけていったという。
(※この模様は10月10日までTVerで視聴可能)
関連
・吉住「まだ呪いの中にいる」加納「もうダサくてもいい」ーー芸人たちはどう生きるか トガりの先にあるもの