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日本プロ野球を経験している先発投手4人が、同じ日に白星を挙げる。前田、今永、山本と…

宇根夏樹ベースボール・ライター
コリン・レイ(ミルウォーキー・ブルワーズ)May 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月1日、前田健太(デトロイト・タイガース)、今永昇太(シカゴ・カブス)、山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)は、それぞれ別の試合に登板し、いずれも白星を挙げた。前田が6イニング1失点、今永が7イニング無失点、山本は6イニング無失点を記録した。

 これについては、いくつもの日本のメディアが報じた。例えば、MLB.JPは「日本人投手が同日に3勝を挙げるのは5度目のこと。ただし、過去4度はリリーフでの1勝が含まれており、日本人先発投手の同日3勝は初めてとなった」、日刊スポーツは「これまで日本人投手の「同日3勝」は4ケースあるが、すべて先発と救援の組み合わせで、先発3人の同日白星は初めてとなった。全員が背番号「18」をつけて勝利した」と謳っている。

 この日に白星を挙げた先発投手のうち、日本プロ野球の経験者は、彼らだけではなかった。山本と同じく、6イニング無失点で勝利投手となったコリン・レイ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、2021年と2022年に、福岡ソフトバンク・ホークスで計29試合に登板した。

 レイは、昨年の1月下旬にマイナーリーグ契約でブルワーズに入団し――2021年以降の動きは、福岡ソフトバンク→ブルワーズ→福岡ソフトバンク→ブルワーズ――4月中旬に昇格。その後、4度の降格と昇格を挟み、メジャーリーグの先発22登板とリリーフ4登板で計124.2イニングを投げ、防御率4.55を記録した。そして、11月初旬に1年450万ドルの再契約を交わした。今シーズンは、ここまで、先発6登板の33.2イニングで防御率2.67。いずれの登板も5イニング以上を投げ、4失点以上は1度しかない。6登板中4登板は自責点1以下だ。

 また、5月1日の先発マウンドに上がった投手のなかでは、マイルズ・マイコラス(セントルイス・カーディナルス)も、日本プロ野球を経験している。こちらは、2015~17年に読売ジャイアンツで計62試合に登板した。

 マイコラスは、5月1日の登板で黒星を喫したものの、6イニング3失点だったので、日本プロ野球の経験者5人が同じ日にクオリティ・スタート――6イニング以上&自責点3以下――ということになる。ただ、日本プロ野球を経験している先発投手5人が同じ日に白星、という可能性はなかった。前田とマイコラスは、タイガースの本拠地、コメリカ・パークで投げ合った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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