マライア・キャリーの”タイトルかぶり”訴訟の訴状が衝撃のアップデート
先日にマライア・キャリーさんの商標登録関連の記事を書いたので、ちょっと前に書いた、マライアさんが”All I Want for Christmas is You”の同名異曲を書いていた作曲家に著作権侵害で訴えられていた件がどうなっているのか調べてみました。訴訟自体はまだ進行していないのですが、原告により訴状が更新されています。その内容が、多少とも音楽を知っている人なら突っ込まざるを得ない内容です。
過去記事に書いたように元の訴状では、
という状態だったのですが、アップデート版では一応歌詞や曲も類似しているという主張もなされています。ポイントは以下のとおりです。なお、事前に問題の同名異曲のYouTube動画を見ておくとよいでしょう。
1.両曲の歌詞は50%以上類似している。(追記:初稿で「最大50%」と書きましたが私の読み間違いでした、すみません)
具体的にどこが類似しているのかは書いてありません。
2.両曲のストーリーは共通している。
「プレゼントはいらない、欲しいのはあなた」というストーリーが共通するそうです。起案した弁護士先生も「著作権法はアイデアは保護しないよなー」と思いながら書いたのではないでしょうか。
3.フック部分の音型が似ている。
”All I Want for Christmas Is You”の最後の部分の音程がmas(ラ)is(シ)you(ソ)なのが同じ、AllとWantが拍頭なのが共通しているそうです。それ以外にもメロディが上昇して、その後、下降する音型が頻繁に登場する点が共通しているそうです。
4.コード進行が類似している。
ii-V-I、I-IV-V、サブドミナントマイナーの使用が共通するそうです(念のため書いておくとポピュラー音楽でこれらのコード進行を使ってないものはほとんどありません)。
5. リズムが類似している。
テンポはまったく異なるものの8分の12拍子でピアノが8分(というか3連)でコードを刻んでいる点が共通しているそうです。
ということで、これで似ていると主張できるなら、ポピュラー音楽楽曲の大半が互いに類似してしまいますよねという内容です。たとえて言えば、この萌え絵は目が大きくて、口が小さくて、パッツン髪型だから俺の絵のパクリだと言っているようなものです。著作権関係で無理筋の訴えはたまに見られますが、無理筋にもほどがあるのではと思いました。