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藤浪晋太郎の速球は、メジャーリーガーのなかでどれくらい速いのか。4シームは平均98.4マイル

宇根夏樹ベースボール・ライター
藤浪晋太郎(ニューヨーク・メッツ)Feb 22, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 藤浪晋太郎は、ニューヨーク・メッツの投手として、メジャーリーグ2年目を迎えるはずだ。昨年は、オークランド・アスレティックスとボルティモア・オリオールズで計79.0イニングを投げ、奪三振率9.46と与四球率5.13、防御率7.18を記録した。

 スタットキャストによると、藤浪が投げた速球系の1018球は、平均球速96.2マイルを記録した。スタットキャストは、4シーム、シンカー(2シーム)、カッターの3球種を速球系としている。藤浪の場合は、4シームが794球とカッターが224球だ。

 速球系が750球以上の173人中、藤浪の平均96.2マイルは、14番目に速い。藤浪のすぐ上に位置するのは、平均96.4マイルのタイラー・グラスナウ(現ロサンゼルス・ドジャース)だ。今オフのトレードにより、グラスナウは、タンパベイ・レイズからドジャースへ移籍した。最速は、平均100.1マイルのジョーダン・ヒックス(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)。ヒックスは、昨年、セントルイス・カーディナルスとトロント・ブルージェイズで投げた。あとの172人は、いずれも、平均100マイル未満だ。

 4シームに限ると、藤浪の平均球速は98.4マイルとなる。藤浪のカッターは、平均88.2マイルだ。4シームが750球以上の82人中、平均98マイル以上は3人。藤浪以外の2人は、平均98.3マイルのハンター・グリーン(シンシナティ・レッズ)と平均98.2マイルのレイナルド・ロペス(現アトランタ・ブレーブス)だ。ロペスは、昨年、シカゴ・ホワイトソックスとロサンゼルス・エンジェルスとクリーブランド・ガーディアンズで投げた。

 4シームが500球以上の152人のなかにも、藤浪を上回る平均球速の投手は、3人しかいない。平均99.5マイルのフェリックス・バティスタ(オリオールズ)に、平均99.1マイルのボビー・ミラー(ドジャース)とカルロス・ヘルナンデス(カンザスシティ・ロイヤルズ)がそうだ。

 バティスタは、10月にトミー・ジョン手術を受け、2024年は全休となる。ドジャースは、ハードボーラーの2人、グラスナウとミラーをローテーションに擁する。

 なお、球種を問わず、100マイル以上の投球数は、ヨアン・デュラン(ミネソタ・ツインズ)の473球が最も多く、ヒックスの470球が次ぐ。300球以上は、彼らだけだ。デュランの100マイル以上は、4シームだけでなく、スプリッターも32球を数える。100マイル以上のスプリッターは、他に誰も投げていない。ヒックスは、シンカーと4シームだ。藤浪の100マイル以上が136球は、9番目に多い。

 2023年の最速は、デュランの104.8マイルだった。トップ10のうち、ヒックスの104.3マイルを除く9球は、デュランが投げた。藤浪の最速は、102.6マイル。それを上回る102.7マイル以上を1球でも記録した投手は、デュランとヒックスを含め、11人いた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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