この選手の打席は異次元!?「本塁打と三振がほぼ同数」。14本塁打は3位、15三振は2番目の少なさ
レギュラーシーズンの3分の1近くを終え、ホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)は、14本のホームランを打ちながら、ほぼ同数の15三振しか喫していない。本塁打はリーグ3位に位置し、三振は規定打席以上の80人中、2番目に少ない(スタッツは6月5日時点)。ちなみに、三振の最少はチームメイトのスティーブン・クワンだ。こちらは12三振だが、ホームランは1本しかない。
ラミレスよりも多くのホームランを打っているア・リーグの2人は、21本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が58三振、16本塁打のヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は33三振だ。どちらも、三振はホームランの2倍を超えている。10本塁打以上の他15人も同様。ナ・リーグの15人のなかにも、三振がホームランの2倍未満という選手はいない。
過去には、ホームランと三振が同数どころか、三振のほうが少なかったスラッガーもいた。例えば、1934年のルー・ゲーリッグは49本塁打と31三振、1947年のジョニー・マイズは51本塁打と42三振、1954年のテッド・クルゼウスキは49本塁打と35三振だ。
ただ、1960年以降にシーズン30本以上のホームランを打った選手に限ると、ホームラン>三振は、2004年に45本塁打と41三振のバリー・ボンズしかいない。このスパン(1960~2021年)にシーズン30本塁打以上は、延べ1200人を超える。
1960年以降、シーズン30本塁打以上でホームラン/三振の比率が0.90以上も、5人に過ぎない。2004年のボンズが1.10(45本/41三振)、2006年のアルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)が0.98(49本/50三振)、2002年のボンズが0.98(46本/47三振)、1969年のハンク・アーロンが0.94(44本/47三振)、1961年のロジャー・マリスは0.91(61本/67三振)だ。
このままのペースなら、ラミレスのシーズン本塁打は、45本を超える。現時点のホームラン/三振は0.93だ。
また、ラミレスの四球は30を数える。三振のちょうど2倍だ。1960年以降、同じシーズンに30本塁打以上と四球/三振2.00以上を記録した選手は、2002~04年に3年連続のボンズ以外に3人。1996年のゲリー・シェフィールドが42本塁打と2.15(142四球/66三振)、1985年のジョージ・ブレットが30本塁打と2.10(103四球/49三振)、1993年のフランク・トーマスは41本塁打と2.07(112四球/54三振)だ。
しかも、「まさにRBIマシン。開幕44試合で50打点を超える。シーズン記録の更新は…」で書いたとおり、ラミレスは打点も多い。ここまでに53打点を挙げ――ガーディアンズは49試合を終えたところだ――2位のジャッジに11打点差をつけている。三塁打も、単独トップの4本だ。
なお、ラミレスについては、こちらでも書いた。