何かが変だ?!「金正恩氏重病説」北朝鮮の初反論は中国語だった
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の「重病説」が国際社会で取りざたされるなか、同国の政府系ニュースサイト「朝鮮の今日」が26日早朝の段階で「重病説」を「根拠のないデマ」と伝え、話題になっている。北朝鮮当局が運営するメディアが金委員長の状況に触れるのは、金委員長の「重病説」が出て以来初めて。
▽中国語で書き込み
ただ、国営朝鮮中央テレビや朝鮮労働党機関紙、労働新聞といった主要メディアが金委員長の動静を伝えたわけではない。「朝鮮の今日」という中国を拠点とするサイトが、自身のホームページではなく、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」の公式アカウントに中国語で書き込むという異例の対応を取っており、金委員長の動静に依然、不透明感がつきまとう。(参考資料:「朝鮮の今日」が微博に書き込んだ重病説への反論)
微博の書き込みは、「金委員長が手術を受けた」と最初に報じた韓国の北朝鮮専門ニュースサイトを念頭に「デマは南朝鮮(韓国)の地下室に隠れて姿を見せない下水道のネズミたちから始まったものだ」と激しく非難。この後に「重病説」を報じた米CNNテレビについては「これ(このデマ)を使って、デタラメを言って大衆を惑わせ始めた」と批判した。
▽「あなたはそれを信じるのか」
さらに「あるおばさんがそれを見て、またネズミの話に続いてデマを流し、また外国メディアがおばさんの話を使ってデマを流した」と記した。「あるおばさん」が誰を指すか明確ではないが、中国の李肇星・元外相のめいで、香港テレビ局の幹部が24日に微博上に金委員長の「死亡説」を書き込んでいたため、この人物を指している可能性がある。続いて、書き込みは「(デマが広がったあと)CNNは反対に何も言わなくなった」と指摘して、CNNが「重病説」に関する続報を伝えていない点を突き、情報の信ぴょう性に疑問を呈した。
また、日米韓などの情報機関について「西洋の国は(北)朝鮮を混乱させたくて仕方がない、長年にわたってそうだった」と主張。「今回は、超巨大レンズを持った西洋の情報員は何も知らない。3流記者よりもいい加減だ」と述べ、各機関の能力を揶揄した。
そのうえで「あなたはそれを信じるのか」と読者に問いかけ、金委員長に関する報道を暗に否定した。
北朝鮮の公式メディアによる金委員長の動静報道は、4月27日午前8時半現在、2週間にわたって途絶えている。金委員長の動静報道の空白期間が2週間以上となったのは▽1月27日~2月15日(20日間)▽3月23日~4月9日(18日間)――に続いて今年3回目。