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ナマの事実の加工、相次ぐ判断覆し、辞退続出…15年経た裁判員制度の問題点は

前田恒彦元特捜部主任検事
(提供:アフロ)

 2009年5月21日の施行から15年を経た裁判員制度。裁判員に選ばれる確率は約0.01%だが、補充裁判員を含め、すでに12万人超が経験したという。膨大な供述調書ではなく、核心をつく法廷での証言を重視するなど、刑事裁判の形を変えたことは確かだ。

 しかし、「素人の裁判員に分かりやすく」という姿勢を重視するあまり、争点や証拠を絞り込む公判前整理手続に時間が割かれ、社会の関心が冷めたころに公判が始まり、それでも審理に時間がかかるなど、さまざまな問題点が指摘されているのも事実である。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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