Yahoo!ニュース

1億6200万ドルの契約を得た投手のシーズン初登板はいつ!? 故障で出遅れ、さらに新たな故障も発生

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・ロドーン(ニューヨーク・ヤンキース)Feb 22, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨オフのFA市場に出た投手のうち、ジェイコブ・デグロームカルロス・ロドーンは、総額1億5000万ドル以上の契約を手にした。デグロームはテキサス・レンジャーズと5年1億8500万ドル、ロドーンはニューヨーク・ヤンキースと6年1億6200万ドルの契約を交わした。

 デグロームは、キャンプイン早々の2月半ばに左脇腹の痛みを訴えたものの、開幕に遅れることなく、4月11日にはシーズン3度目のマウンドに上がった。一方、ロドーンは、まだ0登板だ。3月上旬に左腕を痛め、故障者リストに入って開幕を迎えた。

 それでも、今月中には復帰する見込みだったが、ここへきて、雲行きは少し怪しくなっている。アーロン・ブーン監督は、4月11日にポッドキャストの番組、トーキン・ヤンクスで、ロドーンの腰に張りがあると語った。

 深刻な状態ではなく、予定よりも数日遅れる程度だというが、予断は許さない。ロドーンは、故障が多い投手だ。昨シーズンは178.0イニングを投げたものの、8シーズンのうち、規定投球回に達したのは他に1度、2016年の165.0イニングしかない。先発25登板以上も、この2シーズンだけだ。

 直近2シーズンのスタッツは、2021年が132.2イニングで奪三振率12.55と与四球率2.44、防御率2.37とFIP2.65、2022年は178.0イニングで奪三振率11.98と与四球率2.63、防御率2.88とFIP2.25と優秀ながら、投げられないのでは意味がない。

 ただ、ロドーンだけでなく、他の先発投手2人、ルイス・セベリーノフランキー・モンタスも欠いているものの、今のところ、彼らの不在はヤンキースの大きな問題点にはなっていない。ここまでの11試合は、7勝4敗だ。

 敗れたのは、クラーク・シュミットドミンゴ・ハーマンの各2登板。どの登板も5イニング未満の2人と違い、こちらも代役のジョニー・ブリトーは、2登板とも5イニングずつを投げて計1点しか取られておらず、ゲリット・コールネスター・コーテズは実力を発揮している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事