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200本塁打&200盗塁は54人目。どちらもちょうど200で揃ったのは史上初!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)Jun 16, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月26日、クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、3回裏に二盗を決め、通算盗塁を200とした。8日前に到達した通算200本塁打と合わせ、200-200を達成した。

 200-200の達成者は、イェリッチが54人目だ。ここには、500-500のバリー・ボンズ(762本塁打&514盗塁)と300-300の7人、ウィリー・メイズ(660本塁打&339盗塁)、ボビー・ボンズ(332本塁打&461盗塁)、アンドレ・ドーソン(438本塁打&314盗塁)、レジー・サンダース(305本塁打&304盗塁)、スティーブ・フィンリー(304本塁打&320盗塁)、アレックス・ロドリゲス(696本塁打&329盗塁)、カルロス・ベルトラン(435本塁打&312盗塁)も含んでいる。2人のボンズ、ボビーとバリーは、親子だ。

 また、イェリッチ以外にも、今シーズン、メジャーリーグの試合に出場している200-200の達成者は、4人いる。

 彼らのうち、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)、アンドルー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)の3人は、200本塁打目と200盗塁目が別のシーズンだ。ホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)の到達は、どちらも昨シーズンだが、イェリッチほど近くはない。200本塁打目が6月8日、200盗塁目は9月18日だ。200-200を達成した時点の通算本塁打は、216本だった。

 一方、イェリッチは、まだ、201本目のホームランを打っていない。現時点では、200本塁打と200盗塁。ホームランと盗塁の両方が、ちょうど200で揃っている。これは、見落としがなければ、ハワード・ジョンソン(228本塁打&231盗塁)に続く2人目だ。

 ホージョー――ハワード・ジョンソンのニックネーム。Howard Johnson→HoJo――は、1992年4月26日に200本目のホームランを打った時点で198盗塁。そこから、ホームランを増やすことなく、5月3日に三盗と二盗を決め、200盗塁に到達し、200-200を達成した。

 ちなみに、キャリアを終えた時点のホームランと盗塁の差が1のサンダースは、200-200の達成時が200本塁打と235盗塁(35差)、300-300の達成時は300本塁打と302盗塁(2差)だ。その後、5本のホームランを打ち、2盗塁を記録した。

 現役選手を除くと、ホームランと盗塁の差が小さいトップ3は、1差のサンダース、2差のブランドン・フィリップス(211本塁打&209盗塁)、3差のホージョーとなる。200-200の達成者のなかで、通算の差が10未満は、この3人だけだ。

 反対に、ホームランと盗塁の差が大きいトップ3は、1109差のリッキー・ヘンダーソン(297本塁打&1406盗塁)、515差のハンク・アーロン(755本塁打&240盗塁)、421差のジョー・モーガン(268本塁打&689盗塁)。400差以上の選手は、彼らしかいない。

 イェリッチは、今シーズンがメジャーリーグ12年目。各シーズンのホームランと盗塁の差は、2013~15年が「ホームラン<盗塁」、2016~20年が「ホームラン>盗塁」、2021年が「ホームラン=盗塁」、2022年以降は「ホームラン<盗塁」と推移している。

 2018年に20-20(36本塁打&22盗塁)、2019年は30-30(44本塁打&30盗塁)を達成し、同数の2021年は9本塁打&9盗塁。その後は、2022年が14本塁打&19盗塁、2023年が19本塁打&28盗塁、今シーズンのここまでは7本塁打&16盗塁だ。

 2018~19年は首位打者を獲得し、2018年はMVPも受賞した。シーズン出塁率は.350を下回ったことがなく、2018~19年と今シーズンは.400を超えている。9年2億1500万ドルの契約は、2028年まで(2029年は相互オプション)。現在の年齢は32歳だ。

 なお、イェリッチは、2017年までマイアミ・マーリンズにいて、マーセル・オズーナ(現アトランタ・ブレーブス)とジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)の2人とともに、外野トリオを形成していた。オズーナは257本塁打と28盗塁、スタントンは420本塁打と42盗塁を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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