「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女」で有名なザ・リッツ・カールトンによる美食の饗宴
ホスピタリティのザ・リッツ・カールトン
ザ・リッツ・カールトンといえば、「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」をモットーにしており、非常にホスピタリティの高いラグジュアリーホテルとして日本でもよく知られています。
世界中すべての従業員が、ザ・リッツ・カールトンの方針やゲストに提供するサービス理念などについて記載されたクレド・カードを常に携帯し、その理念を心に刻み、率先して実行していることでも有名です。
ホスピタリティが特に評価されているザ・リッツ・カールトンですが、もちろん、その上質さに比して美食を提供するホテルとしても名高いです。
アジアで多くのミシュランガイドの星を獲得
アジア太平洋地域にあるザ・リッツ・カールトンを見渡してみると、国内では東京、大阪、京都、海外ではシンガポール、香港、広州、マカオなど、ミシュランガイドで星を獲得しているレストランがたくさんあります。
東京、京都、広州、香港など、美食都市で評価されていることに大きな意味があるでしょう。フランス料理からイノベーティブ料理、中国料理や天ぷらまで、料理ジャンルが幅広いことにも注目したいです。
Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton
こういった世界各地にあるザ・リッツ・カールトンの美食を体験するのは、普通の人であれば、なかなか難しいかもしれません。しかし実は今、わざわざ世界へ飛び出していかなくても、ザ・リッツ・カールトンの食体験を楽しめる機会があるのです。
それは、今年で2回目を迎える「Stellar Dining Series(ステラ ダイニングシリーズ)『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」。
2019年9月11日から10月13日にわたり、 東京、京都、広州でディナーやアフタヌーンティー、カクテルナイトなどの特別イベントが開催されています。
しかも、東京、 京都、 大阪、 広州、 香港、 マカオに加え、スペインのアバマからもザ・リッツ・カールトンのシェフを迎え、ミシュランガイドで合計9つもの星を持つ料理人たちがイベントに携わるのです。
たくさんの星をもつ料理人が腕をふるうことから「星の饗宴」とも題されています。今回参加するミシュランスターシェフは以下の通り。
- ラ・ベ(ザ・リッツ・カールトン大阪)
1つ星/シェフ:クリストフ・ジベール氏
- M.B(ザ・リッツ・カールトン アバマ)
2つ星/シェフ:エルランツ・ゴロスティサ氏
- 麗軒(ザ・リッツ・カールトン広州)
1つ星/シェフ:ゴードン・グォン氏
- 麗軒(ザ・リッツ・カールトン マカオ)
1つ星/シェフ:ジャッキー・ホー氏
- 天麩羅 水暉(ザ・リッツ・カールトン京都)
1つ星/シェフ:藤元健司氏
- 天龍軒(ザ・リッツ・カールトン香港)
2つ星/シェフ:ポール・ロウ氏
- アジュール フォーティーファイブ(ザ・リッツ・カールトン東京)
1つ星/シェフ:宮崎慎太郎氏
最高の料理人たちを総動員した美食の「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」は、一体どのようなイベントでしょうか。
シリーズの概要
「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」のスケジュールは以下の通り。
ザ・リッツ・カールトン東京
- 9月11日
ワールドスパイスディナー(タワーズ)、秋の天麩羅ディナー(ひのきざか)
- 9月12日
EXCLUSIVE AFTERNOON TEA(ザ・ロビーラウンジ)、フォーハンズ・ミクソロジスト・ナイト(ザ・バー)、秋の天麩羅ディナー(ひのきざか)、ビンテージ・クリュッグ・シャンパーニュ ディナー(アジュール フォーティーファイブ)
- 9月13日
EXCLUSIVE AFTERNOON TEA(ザ・ロビーラウンジ)、フォーハンズ・ミクソロジスト・ナイト(ザ・バー)、シックスハンズディナー(アジュール フォーティーファイブ)
- 9月14日
ボランジェ・シャンパーニュブランチ(タワーズ)、限定アフタヌーンティー(ザ・ロビーラウンジ)、フォーハンズ・ミクソロジスト・ナイト(ザ・バー)、シックスハンズディナー(アジュール フォーティーファイブ)、2014 ロマネコンティ 割烹ディナー(ひのきざか)
- 9月15日
バスク料理ミシュランランチ(アジュール フォーティーファイブ)、ボランジェ・シャンパーニュブランチ(タワーズ)、限定アフタヌーンティー(ザ・ロビーラウンジ)、チーズワークショップ(アジュール フォーティーファイブ)
ザ・リッツ・カールトン京都
- 9月18日
ピエール・エルメ・パリのアフタヌーンティー(ザ・ロビー・ラウンジ)、クッキングセミナー(宴会会場)、天麩羅ディナー 夕ぎりの宴(天麩羅 水暉)、フォーハンズ・ミクソロジスト・ナイト(ザ・バー)、フォーハンズディナー(ラ・ロカンダ)、特製カクテル・エクスペリエンス(ザ・バー)
- 9月19日
9月18日と同じ
ザ・リッツ・カールトン広州
- 10月9日
特製和風カクテル(ザ・チャーチル・バー)
- 10月10日
シックスハンズランチ(麗軒)、スペシャル・アフタヌーンティーブッフェ(パールラウンジ)、シックスハンズディナー(麗軒)、特製和風カクテル(ザ・チャーチル・バー)
- 10月11日
シックスハンズランチ(麗軒)、スペシャル・アフタヌーンティーブッフェ(パールラウンジ)、シックスハンズディナー(麗軒)、 限定シャトー・マルゴー・ワインペアリング・ディナー(麗軒)、特製和風カクテル(ザ・チャーチル・バー)
- 10月12日
シックスハンズランチ(麗軒)、スペシャル・アフタヌーンティーブッフェ(パールラウンジ)、シックスハンズディナー(麗軒)、限定ペリエジュエ・シャンパーニュ ペアリング・ディナー(麗軒)、特製和風カクテル(ザ・チャーチル・バー)
- 10月13日
ステラ・シャンパーニュ・ブランチ(麗軒、ザ・チャーチル・バー、リモーニ)、スペシャル・アフタヌーンティー(パールラウンジ)
それぞれの都市で、実に様々なイベントが行われていることがわかるのではないでしょうか。
現在は東京、京都が盛況のうちに終わり、最後の広州を控えています。
特に注目のイベント
たくさんあるイベントの中でも、特にガストロノミー色が強いのは、ミシュランガイド1つ星のフレンチダイニングであるザ・リッツ・カールトン東京「アジュール フォーティーファイブ」で行われた「シックスハンズ ディナー」です。
同レストラン シェフの宮崎慎太郎氏、 ザ・リッツ・カールトン大阪「ラ・ベ」のシェフ クリストフ・ジベール氏、ザ・リッツ・カールトン・アバマ「M.B(エムビー)」のシェフ エルラント・ゴロスティサ氏が共演し、1つのコースを紡ぎ出したのです。
コース内容は次の通り。
- 季節のアミューズブッシュ
カブのコンソメ ゆず プロバンスオリーブオイル/シェフ 宮崎
ぼたん海老のタルタル バジルブランマンジェ 塩レモンとキャビア/シェフ ジベール
パエリアのクラッカー/シェフ ゴロスティサ
- コールド アペタイザー
フォアグラカナールのテリーヌ 赤ワインジュレ パンデピス シェリーヴィネガー/シェフ ジベール
- セカンド アペタイザー
有機卵 シャンピニオン ベルパークノールアルト/シェフ 宮崎
- サード アペタイザー
フェンネルのリゾット/シェフ ゴロスティサ
- 魚料理
キハタの海藻蒸し フェンネルと貝のコンポート トリュフクーリ/シェフ ジベール
- シーフード料理
鮑 マダガスカル産 黒胡椒/シェフ 宮崎
- メインディッシュ
鳩のロースト パスタ キノコ トリュフ風味/シェフ ゴロスティサ
- デザート
コーヒーバリエーション ラズベリーガナッシュ アイリッシュクリームスフィア/シェフ 宮崎
チョコレートシリンダー プラリネのクレームグラッセ レモンコンフィ フルール・ド・セルのクランブル/シェフ ジベール
パンプキンバニラクリーム 黒オリーブサンド リコリスアイスクリーム/シェフ ゴロスティサ
- ミニャルディーズ
ミニレモンタルト/シェフ 宮崎
メレンゲ ブラックフルーツのコンポート レモンバーベナ 葡萄/シェフ ジベール
ベルモットシリンダー メロン/シェフ ゴロスティサ
アミューズブッシュ、アペタイザー、デザート、ミニャルディーズでは3人のクリエーションが味わえるので、食べ比べできて楽しいでしょう。
メインディッシュはジビエが得意なゴロスティサ氏の鳩料理で、アペタイザーが3種類、魚料理が2種類と皿数が実に豊か。まさに美食を心ゆくまで体験できるコースであるといって間違いありません。
注目料理
「フォアグラカナールのテリーヌ 赤ワインジュレ パンデピス シェリーヴィネガー」はジベール氏の冷前菜。フォアグラのテリーヌをロール状にしており、中には鴨肉を巻いています。周りはパンデピスで少しスパイシーになっており、フォアグラのまったりな口溶け感と鴨肉の力強さがよいコントラストです。
「有機卵 シャンピニオン ベルパークノールアルト」は宮崎氏の温前菜。シャンピニオンのスフレに卵黄を包んだ創造的な一品で、卵をからめて食すとスフレにコクがでてシャンピニオンの旨味が増します。目の前でスライスしてもらえる、スイス産のセミハードチーズ「ベルパークノールアルト」は非常に香り高いです。
「鳩のロースト パスタ キノコ トリュフ風味」はゴロスティサ氏の肉料理。鳩の風味やテクスチャを存分に感じられる優しい火入れで、鴨のポテンシャルを最大限に引き出しているといってよいでしょう。付け合せには、キノコのデュクセルを包んだ筒状のパスタ。ナスタチウムをアクセントに載せています。
背景
この壮大な美食イベントである「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」にはどのような背景があるのでしょうか。
マリオット・インターナショナルでラグジュアリーブランドマネジメント シニアディレクターを務めるフェイ・リン・ヨー氏とレストラン&バー シニアディレクターのラニム・ベン・ロムダン氏に話を聞きました。
Q:「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」は昨年なぜ開催されることになったのか?
フェイ氏:ザ・リッツ・カールトンにはミシュランシェフ、カリスマパティシエ、才能あるミクソロジスト、伝説のサービススタッフがたくさんいる。そういった優秀なスタッフを通じて、ゲストにフードやワインで何か新しい体験を提供できないかと模索していた。
ラニム氏:ザ・リッツ・カールトンに訪れるゲストは富裕層が多いが、ただ高級なものを求めているわけではない。特別な体験を求めている。
Q:どのようにして開催に至ったのか?
フェイ氏:2018年4月にアイデアが浮かび上がり、各ホテルに打診し、スケジュールを調整していった。アジア、パシフィック地域で開催しようということになり、昨年11月から12月にかけてシンガポール、大阪、香港、北京で開催した。
Q:これらの都市が選ばれた理由は?
フェイ氏:香港とシンガポールはアジアの拠点であり、大阪は美食の街。中国では上海という選択肢もあったが、首都である北京になった。
Q:開催にあたって難しかったことは何か?
ラニム氏:各都市でよい食材が手に入る時期が異なるので、開催日を決定するのが容易ではなかった。しかし、最も困難を極めたのは、参加するスターシェフたちのスケジュール調整。アシスタントも連れて来なければならないので、各ホテルの理解も必要とした。
フェイ氏:料理人はみんなプライドがあり、よい意味で互いにライバルなので、バランスが難しい。招聘された側は、慣れないキッチンとスタッフの中でパフォーマンスを発揮しなければならないので、苦労が多かったと思う。しかし、他のレストランの料理人と一緒に仕事することによって大きな学びが得られるので、非常に意味があると考えている。
Q:今年も行われたのはなぜか?
フェイ氏:昨年の初開催では多くの困難もあったが、そのかいあってゲストから好評をいただいた。続けてほしいという要望がたくさんあり、今年も開催されることとなったが、2回目なのでスムーズに進められた。
ラニム氏:昨年は成功したが、だからといって今年も同じことを行っていてはいけない。それでは、目や舌が肥えたザ・リッツ・カールトンのゲストに満足していただけないからだ。したがって今回は、東京と甲州で互いにミクソロジストが行き来するなど、新しい要素も盛り込んだ。
Q:来年も「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」を開催するか?
フェイ氏:来年も計画している。また新しい挑戦を行い、ゲストに素晴らしい体験を提供したい。
輝かしいダイニング
「ステラ」=「stellar」を辞書で調べると「星の」「星から成る」「星のような」「星形の」「主要な」「傑出した」「花形の」という結果が現れます。
この「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」とは、まさにザ・リッツ・カールトンが誇る食に関して傑出した才能をもつ者たちによる、極めて輝かしいステージであり、華やかなその瞬間かぎりのダイニングではないでしょうか。
昨年今年ときらびやかに輝いた「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」が来年以降、どのような色をもち、どのような光を放つのか、ザ・リッツ・カールトンの紳士淑女のファンではなくても、非常に関心が寄せられるところです。