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中央集権を象徴する日本代表か、アンチ中央集権のJリーグか

杉山茂樹スポーツライター
ハリルホジッチも日本の特異性に気付いているはずだ(写真:アフロスポーツ)

「浦和がACLで優勝しても、スポーツ新聞の1面は競馬で、2面、3面も野球だった。Jリーグは何を目指しているのか。マーケティングに問題がある」とは、ドイツメディアに答えたポドルスキーのコメントだ。

 

 ポドルスキーのみならず、本場からやってきた外国人選手なら、誰もが抱く違和感だろう。カルチャーショックと言ってもいい。Jリーグの各スタジアムは、思いのほか盛り上がっている。集客もけっして悪くない。だが、その割にメディアへの露出は少ない。いったいなぜ、盛り上がっている感を、Jリーグはアピールできずにいるのか。

 

 Jリーグ各クラブの所在地は大半が地方だ。これに対して発信源であるメディアは大半が東京にある。地方にもメディアは存在するものの、発信力は東京に比べ大きく劣る。特に最近の地方紙は、パワーを失っている気がする。

 

 東京のメディアのお眼鏡にどれほど適うか。ニュースの価値は、それで決まる。地方対地方は、さして重要ではない戦いとして扱われる。東京一極集中する日本とJリーグとは、潜在的に良好な関係にないのだ。

 

 しかしながらそれは、世界的に見れば異常だ。東京も珍しければ、東京のような都市を首都に持つ国も珍しい。例えば、ポドルスキーの母国ドイツの首都はベルリンだが、首都機能等々、すべてがベルリンに一極集中しているわけでは全くない。中心はぼやけている。言い換えれば、地方、辺境、日本に数多く存在する「端」が少ない。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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