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【獣医師が警告】クリスマスや年末年始に要注意、ペットにありがちな事故三つとは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:PantherMedia/イメージマート)

コロナ禍で自宅時間が増えたことや癒やしを求めるためにペットを飼う人が増えています。今年は緊急事態宣言が出ていないので、家族や親しい人が少人数集まって食事やパーティーをする機会もあると思います。

クリスマスや年末年始はなにかとあわただしいですが、穏やかに過ごしたいものです。その一方で、この時期だからこそペットにありがちな事故が起こりやすいです。今日はその事故三つを紹介します。

一つ目 誤飲

写真:アフロ

クリスマスや年末年始は、普段は出していないものが室内にあります。

たとえばクリスマスツリーですね。オーナメントが落ちていたり、プレゼントのリボンが置きっぱなしになっていたりするかもしれません。

猫は、比較的紐などが好きなので、飲み込んでしまう可能性があります。クリスマスや年末年始の飾りつけをするときは、落ちないように注意してください。他には、曲が流れるクリスマスカードなどに電池などが付いているとそれを誤って食べてしまうこともあります。

来客が多くて、バタバタしているときに限って、そのようなことが起きます。食べたときに、すぐに近くにいればわかるのですが、飾りがなにか足りない、そしてペットに食欲不振や嘔吐が続くときなどは、動物病院に連れて行ってあげてください。そのときは、なにか食べているかもしれないことも獣医師に伝えましょう。

二つ目 ケーキなどの飼い主の食べ物を盗み食い

写真:アフロ

普段は、テーブルの上に置いた食べ物をペットに盗み食いされないように注意をしています。しかし、この時期、来客や宅配便が届くなどして席を外した隙に、テーブルの上のケーキを主に犬が盗み食いすることがあります。

実際に、クリスマスの時期に、体重が2キロしかないチワワが、チョコレートのショートケーキ1個を全部、食べて病院に運び込まれました。その子は、嘔吐して元気がなく、血糖値があがっていて治療をしました。そのうえ、チョコレートの場合は興奮作用などがあり犬や猫にとってよくないので注意してください。

他には、お節料理で串などがついたもの、チキンの骨などを飲み込むなどもあります。チキンの骨は、割れたときに鋭利になり消化器を傷つけることがあるので、飼い主が食べた後の処理に気を配る必要があります。

飼い主が、忙しいときに限って、犬や猫は自分を見てもらっていないことがわかり、盗み食いをすることがあります。

三つ目 お湯をかぶって火傷に

写真:アフロ

クリスマスや年末年始は、寒い時期なのでみんなで鍋をすることが多くあります。以前は、犬は外で飼われていたので、お湯をかぶる事故などはあまりありませんでした。

最近では、中型犬の柴犬でも室内飼いされている時代です。先日、お鍋をしているときに、お湯をかぶった柴犬が火傷をして運ばれました。すぐに飼い主は、お水をかけて冷やしたのですが、毛の薄いところは火傷をしていました。

鍋をするとき、犬や猫はケージに入れるか他の部屋においておくのがいいですね。大丈夫だろうと、ちょっとした気のゆるみで愛犬や愛猫に火傷をさせてしまう可能性がありますので、注意してください。

クリスマスや年末年始は、いつもと異なり特別な環境であることが多いです。あわただしいとつい注意が散漫になり思わぬ事故につながる可能性もあるので、このような知識を共有しましょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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