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【介護福祉士が教える】入浴拒否するお年寄りに、気持ちよく入ってもらう訪問介護ヘルパーの知恵

↓YouTubeでは、音声付きの漫画を見られます。

入浴に誘うと、嫌がることが多いBさん。

Bさんには軽度の認知症の症状が見られます。

お風呂に誘っても、なかなか浴室に向かおうとしてくれません。

今日も、お風呂に誘ってみると…

激しく怒られてしまいました。

「こんな時間にお風呂!?」(午前10時)

「お風呂って寝る前に入るもんでしょ?」

気持ちはとっても分かります。

わたしも、お風呂は寝る前に入っています…

今日は、いつも以上にお風呂への気乗りがせず、怒りモードになってしまったBさん。

これ以上は勧めず、少し様子を見ることにしました。

数分後…

少し落ち着いた様子のBさんに、声をかけます。

Bさん自身に、今どうしたいのかを選んでもらうことにしました。

10時ということもあり、この日はお茶を飲むことを選択したBさん。

しばしの間、歓談することにしました。

そして、Bさんのようすを見て、声かけ再トライ!

「じゃあ、そろそろ…お風呂が沸いていますので、ぜひ、入ってきてください」

お茶を飲んで少し落ち着き、ヘルパーとも楽しい時間を過ごして、気持ちが軽くなったのか、2度目の入浴の声かけには、怒らずに応じてくれました。

調子の良いときには「じゃあ先に入ってこようかしら」とすぐに入浴されるときもあります。

少し渋るようなときも、「上がってから一緒におやつにしましょう」と声をかけると、「そうしましょう」と嬉しそうに、お風呂に向かってくれることもありますよ。

ときには、順調に浴室に向かってくれたな…と思うときでも、浴室の前でうろうろ…行ったり来たりしていることや、気付いたら自室に戻ってベッドに横になっているときもありますが…。

毎回スムーズにいかないことも、介護の難しさだなぁと感じます。

けれど、「自分で選択する」ことで、入浴できた日もありました。

相手の方の、その日の調子や気持ちに合わせて、いろいろな声かけを選択していきたいですね。

サイト内リンク:【介護福祉士が教える】1年以上入浴拒否を続けるお年寄りに、気持ちよくお風呂に入ってもらった方法

介護福祉士として通所介護(老人デイサービスセンター)や訪問介護(ホームヘルパー)の現場で働いてきました。研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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