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ゴールデンウィーク明けは梅雨のような一週間、関東甲信は梅雨入りの可能性も

饒村曜気象予報士
予想天気図(5月9日9時の予想)

雨が多いゴールデンウィーク明け

 ゴールデンウィーク後半は、梅雨入りした沖縄を除き、晴れて初夏を思わせるような暑い日が続きました。

 各地で最高気温が25度以上の夏日を観測し、5月7日には全国で気温を観測している914地点の50%にあたる457地点が夏日でした(図1)。

図1 夏日と冬日の観測地点数の推移(4月1日~5月8日)
図1 夏日と冬日の観測地点数の推移(4月1日~5月8日)

 一か月前までは、最低気温が氷点下という真冬日が過半数を超えていたことを考えると、季節が一気に進んだ感があります。

 ただ、ゴールデンウィーク明けは、日本付近は高気圧に覆われるといっても、西日本の南海上から東日本の南海上を低気圧が通過するため、太平洋側を中心に曇りや雨となりそうです(タイトル画像参照)。

 ウェザーマップの10日先までの天気予報によると、北海道を除き、傘マーク(雨)の日や黒雲マークの日(雨の可能性がある曇り)が多くなっています(図2)。

図2 各地の10日先前までの天気予報
図2 各地の10日先前までの天気予報

 お日様マーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性の少ない曇り)は、ほとんどありません。

 気温は初夏の暑さから平年並みに戻り、北海道を除いて、雨が多い一週間になりそうです。

梅雨入り

 令和4年(2022年)の梅雨は、5月4日に沖縄地方で、平年より6日早く梅雨入りをしています(表1)。

表1 令和4年(2022年)の梅雨入り
表1 令和4年(2022年)の梅雨入り

 しかし、最近は沖縄地方と同じか、早かった奄美地方は、まだ梅雨入りをしていません。

 10日には晴れる予想ですので、次の傘マークの13日に梅雨入りとなった場合は、平年より遅い梅雨入りということになります。

 沖縄・奄美地方以外では、関東地方が来週も雨の日が続く見込みです。

東京の16日間予報

 5月9日の関東地方は、東寄りの冷たくて湿った空気が入り、午後からは広く本降りの雨になる見込みです。

 このため、東京の最高気温の予想は16度と、3月下旬並みの予想です。午後は、北風により冷たい空気が入って、さらに気温が下がり、冷たい雨になるでしょう。

 しかし、10日以降は、気温は平年並みとなり、梅雨の時期らしい雨となりそうです(図3)。

図3 東京の16日先までの天気予報
図3 東京の16日先までの天気予報

 関東甲信地方の梅雨入りの平年は、6月7日ですので、今日から続く雨は走り梅雨とし、梅雨入りの可能性は少ないと思われますが、昭和26年(1951年)以降、一番早い梅雨入りは昭和38年(1963年)の5月6日です(表2)。

表2 関東甲信地方での早い梅雨入り(昭和26年(1951年)以降)
表2 関東甲信地方での早い梅雨入り(昭和26年(1951年)以降)

 「三八豪雪」など、顕著な異常気象があった年で、ダントツに梅雨入りが早く、昭和で5月の梅雨入りはこの年だけです。

 ただ、平成に入ってから5月の梅雨入りが4回もあります。

 梅雨に入る、入らないにかかわらず、梅雨のような天気になります。

 梅雨時のような雨対策や食中毒対策が必要な期間に入りました。

タイトル画像、表1の出典:気象庁ホームページ。

図1の出典:ウェザーマップ資料をもとに筆者作成。

図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。

表2の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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