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あんみつの名店は和菓子も豊富「十五夜」に包まれた寿々木さんの甘さ控えめこし餡をたっぷり味わう

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

東京メトロ半蔵門線「九段下」駅から階段を上り地上に出ると、本当にかつては九段の大きな段差があったという大きな靖国通りが堂々と伸びています。ほとんどの方がこの靖国通りを上りながら日本武道館や靖国神社へと向かうのですが、そこから少し脇に逸れたところには細い道がちらほらと。

ひとつずつ色々購入できます
ひとつずつ色々購入できます

少々雑多な、言い換えればレトロな雰囲気漂う小道には、カフェやお寿司屋さんが並びます。その中に暖簾を掲げるが、今回のお店「御菓子司 寿々木」さん。創業130年弱の老舗というだけではなく、実はある和菓子でも一躍全国から注目を浴びるようになったお店。先代の三代目が始めたというあんみつがテレビ番組で取り上げられるや否や全国からあんみつファンが集い、放送後2か月であんみつは約3000杯以上注文が入り、店頭販売の和菓子も一気になくなってしまったというほど!

今回はその寿々堂さんの秋の和菓子「十五夜」とまだまだ真夏日の余韻に汗ばむ日にぴったりな「ふくさしぼり」をご紹介。

深い青が良く映えます
深い青が良く映えます

極々薄皮でこし餡がたっぷりなうさぎさんのお饅頭「十五夜」!しっとりとしているものの、口の中でゆっくりゆっくり丁寧に溶かしていくような練り上げ具合です。だからといってお砂糖の味が強調されているわけではなく、じんわり小豆の旨味とお砂糖の甘味が舌の上に滲み出て、そっと染み込んでいくような慎ましやかなこし餡です。

手に乗っているだけで幸せ…
手に乗っているだけで幸せ…

飽きの来ないこし餡がたっぷり
飽きの来ないこし餡がたっぷり

人によっては薄味と思うかもしれませんが、濃密なこし餡であるものの、楚々とした味わいのまま最後まで飽きずにいただけるというのは寿々木さんの特筆すべきポイントかもしれません。

和柄が素敵
和柄が素敵

「ふくさしぼり」は思わず掌にのせて写真を撮りたくなるような煌びやかな和の巾着。そっと包を開くと、中には黄金色の錦玉が!鮮やかな色合いながらも、どこか秋の気配もそっと届けてくれるような錦玉の味わいは、きゅんと甘酸っぱい杏子。

ちゅるんとのど越し軽やか!
ちゅるんとのど越し軽やか!

中には大ぶりな干し杏子もごろりととじこめられていて、ぷるんとした弾力としゃきっとした杏子の二種類の食感を楽しむことができます。お饅頭に比べると甘味がしっかりついているので、さらりとした緑茶といっしょに涼を楽しむのもいいですね。

満月を眺めている兎を演出してみました
満月を眺めている兎を演出してみました

目で見て楽しむ秋も、ひんやり舌で味わう夏も、どちらも美味しい日本の四季。

【御菓子司 寿々木】

東京都千代田区九段南1-4-3

03-3262-4964

12時~19時

定休日 土日祝

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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