和菓子でくじ引き!津軽の伝統文化「イモ当て」を作る唯一の名店の揚げドーナツは手土産に最適!
突然ですが、皆さんが童心に帰る瞬間はどんな時でしょうか?スポーツをしているとき、絵を描いている時など様々かと思いますが、共通するのは「夢中になる」「わくわくする」といった心に火が灯るような、熱いものが生じるということではないでしょうか。
もし、そんなわくわくするような和菓子があるとしたら…?
青森県弘前市の伝統銘菓のひとつ、「当物(あてもの)」。煮詰めた黒糖を型に流し込んだり、はたまた練り切りだったり揚げドーナツだったりと、和菓子の中でも駄菓子に分類されるようなお菓子用いたくじ引きです。昭和40年頃から登場したといわれるこの度のお菓子は、私の両親も幼いころから慣れ親しみ、私も幼少期はお正月の親戚や両親の交友関係の集まりの席では夢中になっていた記憶があります。
くじ引きの方法はいくつかございまして、紐と結びつけた和菓子を引く千本くじタイプから、紙をめくって出た結果により貰えるお菓子の大きさが決まるものなどございますが、今回ご紹介するのは紙をべりっと捲るタイプ。
今回は、当物を製造される唯一の和菓子屋さんといわれる弘前市「佐藤製菓」さんの人気商品「イモ当て」をご紹介。
イモと呼ばれるものは白餡の揚げドーナツ。ほんのり黄色く色付けされた白餡と健康的な小麦肌に揚げられた皮のコンビネーションは、まるで焼き芋ですね。小麦粉や甜菜糖も国産に拘り、職人さんがひとつずつ丁寧に製造なさっているので大量生産は困難なお菓子。表面に塗されたお砂糖で唇をおめかししながらかぶりつくのはお約束。
思いのほか甘さは控えめで、皮は香ばしさが引き立ちます。更に、一般的に甘味を強く感じる白餡も穏やかな口当たりに仕上がっており、たっぷりと詰まっていても喉が渇いたりするような強い甘さは無く、毎日の生活に寄り添ってくれるような優しさ。しっとりとした質感も長く愛される秘訣かと思います。
大きさも親と子で異なり、親の方がやや大きめのドーナツとなっております。あんこを強く感じるのは親、生地の食べ応えを感じるのは子。縦半分にカットされているので、鮮やかな断面もインパクトがありますね!
甘いお菓子に熱くなってほっこりできる、イモ当てなどの当物。家族や親しい人たちと共有する時間や思い出と共に紡がれ、その楽しかった記憶もひっくるめて守っていきたい郷土の伝統文化です。
<佐藤製菓・工場直売所>
公式サイト(外部リンク)
青森県弘前市大字津賀野字宮崎68
0172-34-3356
13時~17時
定休日 水曜・日曜