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「この状況でも前向きになってもらえる1枚に」 ハロプロのつばきファクトリーが2ndアルバム

斉藤貴志芸能ライター/編集者
左から浅倉樹々、新沼希空、秋山眞緒(撮影/松下茜)

ハロー!プロジェクトのユニット、つばきファクトリーが、2年半ぶりとなる2ndアルバム『2nd STEP』をリリースする。椿の花のように清楚で可憐、女性らしさが魅力の8人組だが、新曲はバラードから三角関係の修羅場まで様々で幅が広がった。そして、このご時世に気持ちが前向きになる曲も多い。メンバーから浅倉樹々、新沼希空、秋山眞緒の3人にロングインタビューを行った。

大事な人たちには笑顔でいてほしくて

――モーニング娘。’21の石田亜佑美さんの取材で、ハロプロのツアーで「失敗した」と思ったとき、眞緒さんが隣りに来て「みんながいるから大丈夫ですよ」と言ってくれた……と話してました。

秋山眞緒 エッ? そうなんですか?

新沼希空 まおぴん(秋山)はよく、そういうことを言ってくれます。コンサートが4日続いて私が疲れていたときとか、LINEで「お願いだから元気をちょうだい」と送ると、「お客さんはきそちゃん(新沼)の笑顔を待っているから」みたいに励ましてくれるので、救われます。アンパンマンみたいなんです(笑)。

浅倉樹々 パフォーマンスをしている姿も楽しそう。今のハロプロの『花鳥風月』ツアーで一緒に回っていても、まおぴんは(欠席メンバーの)代役もしているから1日2公演で大変なのに、疲れた素振りを見せないんです。「私も頑張らないと」と思わせてくれます。

秋山 いっぱい誉められた(笑)。

――眞緒さんはグループ最年少ですが、ヘコんでいる人がいると励ましたくなるんですか?

秋山 そんなに深く考えたことはないですけど、みんな私にとって大事な人なので。いつも笑顔でいてほしくて、少しでも支えになれればいいなと思って、話し掛けたりはします。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

楽曲の幅が広がって表現力も上がりました

――2年半ぶりで2枚目のアルバム『2nd STEP』がリリースされます。1stアルバムを出したときと比べて、どう変わったと思いますか?

浅倉 アルバムは今ドキっぽくなったと思います。楽曲もそうですし、(初回生産限定盤Aに)48ページのブックレットも付いて、オシャレな感じに仕上がりました。

新沼 楽曲の幅が広がったのがうれしいです。アルバムで新曲を6曲もいただいて、ライブで絶対盛り上がる曲や攻めてる曲もあって。私は歌は得意でない意識がありましたけど、ハロプロでバラードをカバーするコンサートをしたり、コロナ禍で歌と向き合う時間が増えて、「こういう表現をしてみよう」とか考えるようになりました。ステップアップできたと思います。

秋山 グループ全体で歌の表現力がすごく上がったのを感じます。身近で見ていてもアルバムの曲を聴いていても「素敵だな」と思いますし、お母さんも「みんなの歌い方が大人っぽくなった」と言ってました(笑)。

――眞緒さん自身、もともとダンスで目を引きましたが、歌もスキルアップしてますね。

秋山 前は歌にはあまり興味がないというか(笑)、「できなーい!」って感じだったんですけど、今は歌でも勝負したくて、自分なりの表現を探しています。お風呂でもアルバムの曲を流しながら歌っていて、エコーが効いてうまく聞こえます(笑)。

浅倉 私も1~2年前に「歌を頑張りたい」と思った瞬間がありました。L'Arc~en~CielのhydeさんやAcid Black Cherryのyasuさんに、歌だけで心を鷲づかみにされて。自分も歌やダンスをお客さんに届ける側にいるので、そういう人でありたいと火がつきました。どうしたらもっと成長できるか、自分との戦いをするようになったのは大きかったです。

――どんなふうに歌を練習しているんですか?

浅倉 最近は基礎の発声に重点を置いています。私は中低音の音域が狭くて出しづらいので、そこを広げるために、ずっと低音の発声をしたり。歌詞の内容をどう伝えるかも大事ですけど、まず声から仕上げていきたいと思っています。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

初めてのバラードは今の私たちにピッタリ

――アルバムには初のバラード『光のカーテン』も収録されました。

新沼 メンバーで「バラードをやりたいね」と話していたんです。でも、歌ったらすごく難しくて。

浅倉 サビのメロディが頭に残る曲で、ピッチが特に難しいわけではないんです。でも、伝えるメッセージが深くて、どう表現するか。私は自分の歌い方を型にハメがちなので、この曲はできるだけ作戦を立てずに臨みました。

秋山 私も難しいと思いましたけど、レコーディングが楽しくなりました。前は緊張したまま終わっていたのが、いろいろな歌い方を試せるようになったので。

新沼 アルバムで良いと思ってもらえても、ライブでやることになったら、踊りながら歌ってもユニゾンが揃うように、もうちょっと頑張ろうと思います。

――つばきファクトリーの歌の中では、恋がなかなか叶わないことが多いですけど、『光のカーテン』では両想いのうえで<仲直りしよう>と思っている感じですかね?

浅倉 私は恋愛曲とは捉えませんでした。どうなんだろう? 

新沼 私は最初、恋愛曲が来たと思ったんですけど、練習していて深読みすると、次のステップへ進む今の私たちにピッタリな曲かなと思いました。

――確かに、カーテンを開けて<進まなきゃ>とも歌っていますね。

秋山 恋愛曲だとは思いますけど、いろいろな意味がある気がしました。

浅倉 人によっても、そのときの感じ方によっても、違う印象を受ける楽曲かもしれません。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

告白は男性からはっきり言ってほしい(笑)

――『だからなんなんだ!』では、学校の屋上に呼び出しておきながら、はっきりしない男の子が出てきます。

浅倉 オドオドした感じですよね(笑)。ウブというか。メンバーがだんだん20代に入ってきて、曲の内容もちょっと大人っぽくなってきていたんですよ。大学生が恋をしている感じになったのが、『だからなんなんだ!』は小・中学生に戻りました(笑)。

新沼 新メンバーで若い子が入るので、そういう子が歌うと面白そうです。

浅倉 最初のインパクトもすごいけど、聴けば聴くほどハマる中毒性もあって、新しいジャンルのスルメ曲だと思います。

――女子としては、こういう男の子はじれったい感じはしますか?

浅倉 もっと引っ張っていってほしいですね(笑)。

秋山 はっきり言ってほしい!

浅倉 最後に女の子のほうから<好きなんだ!>と告白してますけど、やっぱり告白は男性からしてほしいですかね。

新沼 でも、そこがこの曲の面白いところでもあって。本当に今までのつばきの曲では叶わない恋が多くて、この曲でも叶ったわけではないけど、ツッコミどころが多いのは新しいですね。それにしても、ナヨナヨしているのはイヤです(笑)。

――この曲は歌い方も特徴的ですよね。

浅倉 感情を込めすぎないで、ただリズムに沿って歌う感じでした。

秋山 ロボットチックに。いつもは切ない曲が多くて、ディレクターさんに感情のことも指示されますけど、この曲は感情をあまり乗せないように言われました。ただ、<だからなんなんだ!>のところは「怒り気味に」ということで(笑)、そんな歌い方もあるんだと新鮮でした。

新沼希空(にいぬま・きそら)1999年10月20日生まれ、愛知県出身(アップフロントプロモーション提供)
新沼希空(にいぬま・きそら)1999年10月20日生まれ、愛知県出身(アップフロントプロモーション提供)

修羅場になったら水をブッかけるかも(笑)

――ファンキーな『マサユメ』では修羅場になってます(笑)。

浅倉 いきなり浮気現場を目撃する曲を歌うとは思いませんでした(笑)。

新沼 歌詞をもらって状況を考えて、「ワーッ!!」となりました(笑)。

浅倉 歌い終わるとスカッとします(笑)。こういう状況だから見える女の子の強さや、メラメラした激しさが折り込まれていますし、曲調もスピーディー。メンバーがみんな最近よく聴いていて、ファンの皆さんにも気に入っていただけると思います。

新沼 こんなふうに声を思い切り張れる曲がなかったので、ストレス発散にもなりそう。でも、実際こんな修羅場になるのは、怖くて避けたい(笑)。

――実際、デートで待ち合わせて、相手が他の女性といたら、どうします?

新沼 この曲の子はズバズバ言ってますよね。私だったらどうするか。感情的になるのか。すごく考えたんですけど、相手に直接言わずに1人で終わりにすると思います。あとで友だちとかに話すタイプなので。

秋山 私はズバズバ言っちゃうかも。こんな状況になったことはありませんけど(笑)、はっきり言いたいです。それで、別れます(笑)。

浅倉 私はわかりません。

秋山 樹々ちゃんは絶対言うよ(笑)。

浅倉 イライラしちゃって、相手に水をブッかけるかもしれません(笑)。

新沼 モノをバーンと投げて「何でなの!!」みたいに言いそう(笑)。

浅倉樹々(あさくら・きき)2000年9月3日生まれ、千葉県出身(アップフロントプロモーション提供)
浅倉樹々(あさくら・きき)2000年9月3日生まれ、千葉県出身(アップフロントプロモーション提供)

周りが否定的でも自分さえ大好きなら大丈夫

――そうした恋愛曲の一方、皆さんの共感が大きそうな曲もありますね。『最上級Story』とか。

浅倉 『最上級Story』はアルバムの新曲では最初にレコーディングしたんです。久しぶりだったからか、歌詞が深かったからか、当日までどう歌えばいいか悩みました。でも、歌詞自体は自分に向けているようで、<もし世間の価値観変わっても 大好きなものはきっと変わらない>とか刺さります。すごく好きなことでも周りが否定的だと、自分で「本当に好きなんだっけ?」と問い掛けてしまうと思うんです。そうでなくて、自分さえ好きだとわかっていたら大丈夫なんだと、背中を押してもらいました。

――樹々さんだったら、愛犬を好きすぎと言われても、気にしないと(笑)?

浅倉 それは本当に言われるんですよ(笑)。ブログでも「犬の写真より自撮りを多くしたら?」とか。そっちに寄せないといけないかと迷ったりもしますけど、やっぱり自分が大好きだから、発信し続けたいと思います。

――<めげてらんない やる気をチャージ>とも歌っていますが、こういうご時世だからこそ、響くものもありません?

新沼 私は結構めげやすいんです(笑)。でも、この曲をもらって、本当にめげてらんないと思って、チャージする気満々で歌いました。

秋山 私は「大事な人に笑顔になってもらいたい」と言いましたけど、自分が結構落ち込むので。

浅倉 意外とネガティブだったりするよね(笑)。

秋山 だから、今回の新曲で共感するところはたくさんありました。恋愛の曲でも自分のことと置き換えて、バラードの『光のカーテン』はウルッとしながら歌ったり。『足りないもの埋めてゆく旅』の<口癖だった「すみません」を「ありがとう」に替えてみよっか>というフレーズは特に好きです。私はネガティブで、「かわいい」と言われても「そんなことないです」と否定してしまうんですけど、それを「うれしいです」という言葉に替えてみました。この歌詞の女の子みたいに、前向きになりたいと思ったので。

――『最上級Story』の<手を抜く器用さないからガムシャラ>も、良い意味も含めて皆さんに当てはまるのでは?

浅倉 私はパフォーマンスですごく力んでしまうのが、ずっと悩みなんです。全力でやろうと思う分、声や肩周りに余計な力が入ってしまって。表現として抜いた見せ方もできれば幅が広がるので、力みを取って次のステップに行きたいです。

秋山 私は「初心に戻ってみよう」と言われると、研修生時代を思い出すんです。あの頃はデビューしたい気持ちが強くて、手を一切抜かずにガムシャラにやっていました。そういう心はこれからも忘れず、やっていきたいと思います。

秋山眞緒(あきやま・まお)2002年7月29日生まれ、大阪府出身(アップフロントプロモーション提供)
秋山眞緒(あきやま・まお)2002年7月29日生まれ、大阪府出身(アップフロントプロモーション提供)

自分へのご褒美はお肉です(笑)

――<自分ご褒美>ということでは、どんなことをします?

新沼 お肉を食べます(笑)。まおぴんが「今度頑張ったら、一緒に食べに行こうね」と言ってくれたりして、そういうのが自分へのご褒美かなと。

――ちなみに、焼肉はごはんと一緒に食べる派ですか?

新沼 私はごはんもめちゃめちゃ食べます。メンバーの谷本安美ちゃんは食べ放題だと、「お肉をたくさん食べたほうがいい」って、ごはんは食べないんですけど、私は炭水化物も食べたくて。でも、バウンドはさせないんですよ。お肉はお肉で食べて、ごはんは生卵を頼んで卵かけごはんにして、別々に食べます(笑)。

浅倉 私のご褒美はスイーツです。去年の秋くらいから甘いものが本当に好きになって、毎日ケーキを食べられるくらい、生クリームを欲しています(笑)。頑張ったときにも食べるし、頑張れないと思ったときは先に食べて元気を出したり。

――『愛は今、愛を求めてる』では<一口のそうスイーツでも秒で生き返る>とありますね。

浅倉 歌いながら「あっ、私だ」と思いました(笑)。最近だと、フルーツサンドが大好きすぎて。

秋山 よく持っているよね。

浅倉 駅の乗り換えやコンビニで見つけたら、すぐ買っちゃいますし、インスタグラムとかでおいしいお店を調べて、1人で行ったりもします。

秋山 私はお肉以外だと、ハロプロのメンバーとテレビ電話をすることですね。つばきのみんなとは、LINEで「疲れた~」とひと言送っただけで何か返してくれて、そんな会話が安らぐというか、寄り添ってくれる人がいるのを感じます。他のグループだと、私はアンジュルムの佐々木莉佳子さんと仲良くさせてもらっていて、何か頑張ったときに誉めてくださるんですよ。

――たとえば、どんなことで?

秋山 今の『花鳥風月』のツアーで、私は2チームに出ているので、「まおぴんは偉いよ」と言ってくれたり。それがうれしいから、連続2公演とか全然頑張れますね。あと、「このパートが良かったよ」とか「今日のメイクはいいね」とか、頻繁に誉めてくださいます。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

自分を好きになろうと思えて涙が出ました

――先ほど眞緒さんから出た『足りないもの埋めてゆく旅』も、等身大な感じですか?

秋山 この曲の歌詞の女の子が自分に似ているんです。<できることを数えてゆこう 弱虫にならないように>とかすごく刺さって、聴くと切なさもありますけど、曲調は明るいので前向きになれて、歌っていて楽しいです。

浅倉 この曲は練習していたときから、泣きそうになることが多くて。本当に曲調はやさしいし、歌詞も背中を押してくれて、<できることを数えてゆこう>とか自分自身に呼び掛ける言葉が多いんですけど、歌っていると感情が高ぶるというか。

――どこかのパートに来たときに?

浅倉 最後に行くにつれてです。私も結構ネガティブで、詞にあるように、できないことばかり数えてしまって。「今日はこれがダメだった」って沈むことが多いんですけど、「もっと自分のことを好きになってあげよう」と思わせてくれるメッセージがある曲で、涙が出そうになりました。

秋山 そうなるよね、この曲は。

新沼 私は帰りの電車で、1日にあったことを振り返るんですね。自分1人の世界に入って、外の景色を見ながら、たそがれて。そういうときに、この曲のようなことをよく考えています。私は楽曲をもらったら、レコーディングの前日か前々日から追い込むタイプなんです。でも、この曲はうまく歌いたい気持ちが強くて、毎日練習して挑みました。本当に心に響いたので。ファンの方も電車でたそがれながら聴いてもらうと、エモーショナルでいいんじゃないかと(笑)。

浅倉 アルバムの最後に入っている曲なんですよね。盛大なフィナーレというより、「次に進んで行きます」という想いを込められました。つばきファクトリーと皆さんで、まだ見たことのない景色や歩んだことのない道を一緒に行く旅ができたら……という曲になったと思います。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

かわいい曲ほど表現の仕方が難しくて

――今回のアルバムで、歌ううえで難しかった曲はありましたか?

新沼 やっぱり『光のカーテン』ですね。私は普段の声は高いほうなのに、歌うとそこまで高いキーが出なくて。だから、地声と裏声が行き来する曲は難しくて、正直サビの部分は声がカスれちゃうくらいで、音に届かなかったりもしました。どうしようかと思いましたけど、声を出すのと同時にどう表現して伝えるかも大事なので、頑張りました。

秋山 シングル曲の『My Darling~Do you love me?~』はかわいい感じですけど、私はつばきファクトリーの中でも声が低めで、キャラ的にもプリッと「キューティーです♪」みたいなものを出せないタイプなんです(笑)。だから、かわいい声やあざとい感じで歌うのが難しくて、結構苦戦しました。

浅倉 私も昔から、かわいい曲ほど表現の仕方がわからなくて。つばきファクトリーだと小野田紗栞ちゃんがかわいい担当で、ダンスレッスンのときから手をグー、パーさせる振りを見事に自分のものにしていて、隣りでめっちゃ上手だなと思ってました。でも、みんな頑張って、かわいく歌い込んだので、この曲も聴きどころのひとつかなと思います。

――樹々さんからバンドの話が出ましたが、皆さんは普段どんな曲を聴いていてるんですか?

秋山 私は最近の曲には疎くて。楽屋でみんなが流している曲を「いいな」と思って、入れることはありますけど、ほとんど平成で止まっています(笑)。カラオケでは西野カナさんとかを歌っていて。あと、洋楽がずっと好きです。英語の意味はわかってませんけど(笑)。

――どんな洋楽を聴いていて?

秋山 ジャズっぽい曲やゆったりしたバラードが好きです。特定のアーティストというより、YouTubeのランキングを見たり、家でダンスの練習用に使った曲をずっと流している感じです。

新沼 私は家ではあまり音を取り入れたくないんです。静かにしていたいので、テレビもたまにしか見ません。YouTubeやTikTokはよく見るので、流行っている音源をいいなと思ったら聴きますけど、頻繁に聴く曲はないですね。カラオケに行っても、みんなが歌う曲を本当に知らなくて、自分はハロプロの曲しか歌いません(笑)。

浅倉 私は昔のロックはお母さんとお父さんの影響で聴きました。当時のCDもたくさん家にあるんです。その中でラルクさんとかが刺さって。自分でもガールズバンドをやりたくなった時期もありました。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

新メンバーが入れば成長にも繋がるので

――今、つばきファクトリーの新メンバーオーディションの審査が進んでいるようですが、新メンバーが入ること自体は、どう受け止めました?

新沼 最初はビックリしましたけど、そろそろ来るかなとも思っていたので。

浅倉 へーっ、思っていたんだ。

新沼 だから、自分の中では「ついに来たか」という感じで、マイナスな思いはなくて。先輩方のグループのように、次に続いていく形になるんだと捉えて、うれしかったです。

秋山 私は逆に、新メンバーが入るとは全然予想していませんでした。このメンバーのままでやって、いつかはみんなで解散するのかと思って。

――Berryz工房やC-uteのように?(*Cは温度の単位)

秋山 そういう形になると勝手に想像していたので、本当にビックリしました。でも、今はどんな子が入ってくるのか楽しみです。私はずっと最年少でしたけど、先輩になるので、どう接してあげられるかなと。

浅倉 お姉さんになるんだね。

秋山 募集が高2までだったので、確実に年下の子が入るんですよ。どれくらい年下の子が来るかも楽しみです。

浅倉 私も最初は衝撃でしたけど、まあ、そうなるのかなと。新しいメンバーが加わることで成長にも繋がるし、いただく楽曲の振り幅も広がると考えたら、うれしいことなので。みんなでやさしく迎え入れたいと思います。

――新体制になっても、つばきファクトリーの清楚で可憐なイメージは守っていきますか?

新沼 そこは結成のときから、グループ名の意味でもあったので。

浅倉 ベースは保ちつつ、幅を広げていく感じですね。

――最後に、『足りないもの埋めてゆく旅』に<胸を張ってゆきたい>とありますが、つばきファクトリーがグループとして、胸を張って見せていきたいことというと?

新沼 今はハロプロのツアーで、メンバーがバラバラのチームに分かれてますけど、この前のファンクラブイベントで、みんながそれぞれ歌やダンスを頑張っていることが、一緒に踊っていてわかりました。私はやっぱりみんなのことが好きだなと感じた瞬間もあったし、メンバーが1人1人を思い合う気持ちがすごく強いグループなんです。見てほしいところはたくさんありますけど、一番はそこかな。今回のアルバムはつばきファクトリーの過去と今と未来をお届けする3部構成だと、私は勝手に思ってますけど、もう次のステップへ向かっている私たちも存分に感じていただきたいです。

秋山 今回の新曲には、前向きな歌詞がたくさんありました。今のコロナ禍の状況で、気持ちが落ちてしまう方も多いと思いますけど、今は会えなくても、楽曲で「ずっとそばにいます」という気持ちを伝えていて。ファンの方たちもみんな、笑顔になってくれたらいいなと思います。

アップフロントプロモーション提供
アップフロントプロモーション提供

つばきファクトリー

2015年4月にハロプロ研修生内のユニットとして結成。万葉の時代から愛されてきた日本原産の花、椿のように、端正で凛とした美しさとエバーグリーンな瑞々しさと強さを備えたグループに、と命名。2017年2月にメジャーデビュー。同年の日本レコード大賞の最優秀新人賞と日本有線大賞の新人賞を受賞。

公式HP

『2nd STEP』

5月26日発売

通常盤
通常盤

初回生産限定盤A(CD+BD+48Pブックレット) 8800円(税込)

初回生産限定盤B(CD+DVD) 5500円(税込)

通常盤(CD) 3300円(税込)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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