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「楽天モバイル離脱者を奪え」キャンペーン合戦が過熱 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.468

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2022/05/21(vol.468)

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《目次》

1.povo2.5倍、LINEMO2.6倍、ワイモバイル1.5倍、ユーザー殺到

-----楽天モバイル離脱者の争奪キャンペーン合戦、始まる

2. ソニーがワイヤレスヘッドセット「Link Buds S」を発表

-----コンパスを内蔵し「あっちの方向」から音が聞こえる感覚に

3.ソニーが経営方針説明会を開催

-----「メタバース」と「モビリティ」が注力領域に

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.povo2.5倍、LINEMO2.6、ワイモバイル1.5倍、ユーザー殺到

-----楽天モバイル離脱者の争奪キャンペーン合戦、始まる

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楽天モバイルがゼロ円プランの値上げを発表した直後から、ユーザーの流出が始まっているようだ。KDDIの高橋誠社長は今週、行われたメディアのインタビューに対して、以前に比べて申込件数が2.5倍に増えたと語っていた。

povoに関しては1年間で120万契約を獲得している。ザックリした計算でしかないが、1年間で120万件ということは1日あたり3000〜4000件程度の新規契約件数と思われる。この2.5倍となると、直近は1日あたり1万件近い申し込みがあると予想される。つまり、5000〜6000件近い、楽天モバイルユーザーがpovo2.0を契約しているのではないか。

一方、ソフトバンクも、LINEMOのミニプランへの申し込みが2.6倍になっていると明かした。ただし、そもそもpovo 2.0に比べてLINEMOのほうはユーザーが少ないので、母体数が小さいからこそ、povoより多い2.6倍という数値になったと思われる。LINEMOはユーザー数が昨年8月の段階で「50万にも満たない」(宮川潤一社長)ということで、楽天モバイルからの流入は1日数千件がいいところなのではないだろうか。

ただ、ワイモバイルに関しても1.5倍伸びているという。こちらのほうが、おそらくpovo2.0よりも母数は大きいと思われるので、かなりの数が楽天モバイルから流入していそうだ。

MVNOでもIIJmioがユーザーの申し込みが増えて、手続きが遅れていると明かしている。

各社の状況を俯瞰すると、1日あたり数千あるいは1万程度、ユーザーの流出が起きているのではないか。

楽天モバイルでゼロ円だった人だけが流出するのであれば、楽天にとっては大した痛手にはならないが、これまでアクティブに使っていたユーザーが流出するとなれば、結構、厄介な話だ。

povo2.0が「おとな買いキャンペーン」を始め、LINEMOに至っては「半年、実質無料」という楽天モバイルユーザーが飛びつきそうなキャンペーンをぶつけてきた。

その点において、NTTドコモ・ahamoが波に乗れていないのが、なんとも残念だ。一般メディアでは「3GBでいくらか」という比較表を出す中で、楽天モバイル、LINEMO、povo2.0の名前が並ぶのだが、ahamoだけは20GB2970円という数字が記載され、明らかに分が悪い。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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