楽天モバイル、ゼロ円プラン廃止。値上げの衝撃 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.467
---------------------------------------------------------------------------------------
石川 温の「スマホ業界新聞」
2022/05/14(vol.467)
---------------------------------------------------------------------------------------
《目次》
1.「ぶっちゃけ、ゼロ円でずっと使われても困る」
-----ゼロ円プラン廃止に「三木谷節」炸裂
2.既存ユーザーにゼロ円を継続したくても「電気通信事業法」の壁
-----ワンプランにこだわり、2つ目のプランは作らず
3.「povo2.0を辞める理屈がない」
-----高橋誠KDDI社長がpovo2.0でのゼロ円継続を約束
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
---------------------------------------------------------------------------------------
1.「ぶっちゃけ、ゼロ円でずっと使われても困る」
-----ゼロ円プラン廃止に「三木谷節」炸裂
---------------------------------------------------------------------------------------
「ぶっちゃけ、ゼロ円でずっと使われても困る」
5月13日、料金プランの改定を発表した楽天モバイル。決算会見で三木谷浩史会長がぶっちゃけた。まさに三木谷節、ここにあり、という感じであるが、あまりに本音過ぎるのではないか。
実際、ゼロ円ユーザーの存在に楽天モバイルは頭を抱えていた。例えばKDDIローミングを使うと1GB未満でも500円近く赤字が発生する。しかも手数料もゼロ円という設定だったので、例えばeSIMから物理SIMカードに切り替え手続きを行うと、SIMカードの発行コストや佐川急便での配送コストもかかってくるわけで、かなりの赤字となるわけだ。
「ゼロ円ユーザーにいかにデータを使ってもらうか」に腐心するかと思いきや、まさかの値上げに驚いた。
ただ、楽天モバイルの懐事情を考えれば充分すぎるほど理解できる。同社は2023年中の黒字化を公言しており、手っ取り早く黒字化するには値上げというのは妥当な判断だ。
そもそも、ゼロ円から始まるプランというのが大盤振る舞い過ぎた。NTTドコモが「ahamo」などを発表し、楽天モバイルが窮地に追い込まれている際に、破れかぶれで発表したプランだった。やはり「使った分はちゃんとユーザーに支払ってもらう」というのでないと、健全な市場とは言えない。
とはいえ、発表から改訂、実施までの期間が短すぎる気がしなくもない。総務省に指導されたのか、4ヶ月無料というキャンペーンを実施するが、それも前半2ヶ月は無料、後半2ヶ月はポイント還元という、辞めにくくなるような工夫が施されている。
そもそも、昨年導入したゼロ円から始まる料金プラン、はじめから3GBまで980円という設定にしておき「終了時期未定で3GBまで無料」といったアピールをしておけば、何ら問題なかったのではないか。
この記事は有料です。
石川 温の「スマホ業界新聞」のバックナンバーをお申し込みください。
石川 温の「スマホ業界新聞」のバックナンバー 2022年5月
税込550円(記事4本)
2022年5月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。