日本橋うさぎやさんのふわふわ「うさぎ」こし餡も乙な味の生菓子はお月見にもぴったりな求肥餅です
東京三大どら焼きのひとつにも数えられる「うさぎや」さんのどら焼き。そのうさぎやさんは上野の店舗が元祖で、そのご子息が日本橋のうさぎや、ご息女が阿佐ヶ谷のうさぎやさんを暖簾分けとして開業致しました。
現在日本橋のうさぎやさんは、本店と中央通りの二店舗。特に中央通りは人通りも多いということもあり、土曜日の行列は勿論のこと、平日でも行列や予約でのまとめ買いをなさる方で大人気!どら焼きといえばふっくらとろりとした粒餡ですが、名店のこし餡も乙なもの。
今回は日本橋うさぎやさんのこし餡の魅力を別な形で味わえる生菓子「うさぎ」と「秋月」をご紹介。
うさぎといえば、お饅頭で耳の焼き印と赤やピンクで入れられたつぶらな瞳を思い浮かべる方もおおいのではないでしょうか。日本橋うさぎやさんの「うさぎ」は一味違い、ぽわぽわとした求肥。手に取っただけでこちらの気持ちが和んでしまうような柔らかな触感は、不慣れな手つきで小さなうさぎを手に載せたものに近いような気がします。
求肥といえどもさほどしつこくない甘味が印象的で、しっかりとお餅の旨味が伝わります。そしてまた食感が独特で、伸びというよりも歯切れの良さが印象的。
素直に歯の衝撃を受け止めてくれるような、沈んでいく完食のまま口の中で咀嚼できる素朴な求肥。そこに合わせるのは、整った小豆の粒子を確認できる魅力的なこし餡。とろりとしたこし餡の甘味が求肥の旨味に加わり、肩の力が抜けていくようです。双方の相性がぴったりはまった求肥餅です。
二色だけで秋ならではの澄んだ夜を表現なさっている「秋月」も、どこか渋みがあって一目惚れ。小豆こし餡の練り切りにススキの型をつけ、そこに淡雪羹(泡立てた卵白に寒天を加えたもの)をそっと乗せて、荒野を照らす満月を演出。あえて黄色い月ではなく、白い月というところも粋です。
小豆こし餡の練り切りの中には白餡が。うさぎの中に包まれていたこし餡とは全く異なり、ねっとりとしたまろやかさと優しく決して濃い味ではないのに濃厚な口溶けを、ゆっくりゆっくり舌の上でとかしていくこの感覚がたまりません。あんこの美味しさの中に、練り切り餡特有の旨味が潜んでいるところも、ぜひうさぎと食べ比べていただきたいポイント。
名店の名物は確かに人気の理由がわかりますが、それ以外のお菓子たちにもお気に入りがきっとみつかるはず。日本橋のうさぎやさんにいらしたら、どら焼きだけではなくショーケースに陳列されている季節のお菓子にも視線をうつしてみることを推奨します♪
<うさぎや・中央通り店>
東京都中央区日本橋1-3-8
03-3271-9880
9時30分~18時
定休日 日曜・祝日