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【三田】都内でも貴重!重要文化財の中にあるネオ喫茶で楽しむ期間限定クリームソーダ

なかくきくみこカフェライター

カフェライターなかくき くみこがこれまで実際に足を運んだ1,500軒以上のカフェのなかから、大人の皆さんが心から満足できるような素敵なお店を紹介する連載「大人のための東京カフェ案内」。今回は都内でも貴重な重要文化財の中にあるカフェをご紹介します。

明治時代に建てられた重要文化財、慶應義塾「図書館旧館」

今回ご紹介するのは、都営地下鉄 三田駅から徒歩7分ほどの場所にある、慶應義塾大学三田キャンパス内にあるカフェ。東門から校内に入るとすぐ、1912年(明治45年)に建築されたゴシック様式の壮麗な建物が見えてきます。

こちらはかつて図書館として利用されていた慶應義塾大学のシンボル的な建物で、その1階に2021年「カフェ 八角塔」がオープンしました。在校生やOG・OBなどの関係者でなくても一般利用が可能です。

建物の入り口には赤いじゅうたんが敷かれており、足を踏み入れるとそこから非日常の世界が始まります。

それではさっそくカフェへ入っていきましょう!

ヴィンテージ家具が彩る、優美なクラシックカフェ

店内には三越製作所が手がけた上質なテーブルや、ドレープの豊かなカーテン、真鍮色のタッセル、季節の花などが配された、贅沢な空間が広がっています。

深紅が印象的なイスは、ドイツの家具ブランド「トーネット」のヴィンテージのイスに、赤いベルベットの布を張り替えたもの。なんと1脚30〜40万円はくだらないのだとか。

木や布の手触りが良く、いつもこのイスに座ると何かに守られたような、特別な気分になります。

建物の一部が八角形をしていることから、ここは長年「八角塔」と呼ばれ親しまれてきました。

そのためテーブルを始め天井や床のデザインなど、店内の至るところに八角形のモチーフが用いられています。

広いフロアの奥にある小さめの部屋は、かつて「月波楼(げっぱろう)」と呼ばれていた場所。

昔、ここがまだ海のそばだった時代は、品川沖に揺れる月光を眺めることができたのだとか。振り返れば、後ろには増上寺。きっと素晴らしい景色だったに違いありません。

旬のフルーツで作られる「季節のクリームソーダ」

クラシックな空間でぜひ楽しみたいのは、ぽってりと丸みを帯びたグラスも可愛い「季節のクリームソーダ」。

旬の食材で作るため、1〜2ヶ月単位で内容が変わります。現在提供されているのは「メロン」(900円、4/30までの提供予定)。メロンの果肉や果汁が使われていて、天然の甘みが格別です。

サイフォンで抽出する「コーヒー」(800円)もおすすめです。コーヒー豆は蔵前の自家焙煎珈琲店「蕪木」が手がける同店のオリジナルブレンド「モカ・ジャヴァ」。

中深煎りで、濃厚でありながら透明感があり、爽やかな後味が楽しめます。カップに約2杯分がポットで提供されるので、ゆっくり過ごしたい時にもうれしいですね。

コーヒーのお供には、千葉県市原市「くにおかチョコレート」で手作りされた「マカロン(白)」(400円。7月~10月はフレーバーが変更)をどうぞ。強く持つと壊れそうなほどの繊細な薄さにドキドキしながらひとくち食べると、これがもうビックリの美味しさで…!

和三盆と自家採卵した卵白を使用した生地は、さらりとした口溶け。また生地の間にあるガナッシュも、カカオの爽やかな酸味と甘さだけを口の中に残し、しゅわっと消えてゆきます。

とても儚く、いつまでも味わっていたくなる味わい…。ちなみにこのマカロンが味わえるのは、東京では同店だけだそうです。

日替わりスイーツメニューとして週の半分ほど登場する「自家製プリン」(600円)も人気です。長いときの流れを感じるこの場所にぴったりな、固めでクラシカルな佇まいのプリン。優しい甘さとなめらかな食感が楽しめます。

提供日についてはお店のツイッター(外部リンク)でお知らせされることもあるので、気になる方はチェックしてみて。

心をくすぐる図書館関連のアイテム

ここがかつて図書館だったことから、カフェには図書館関連のアイテムも。メニュー表は、昔懐かしい図書館の貸し出しカードのようなデザインになっています。

カフェの入り口にある看板も、下にかつての蔵書が重ねられています。よく見ると図書館やゴシック建築について書かれた、この場所とゆかりのある書籍も。

カフェの入り口近くにある階段で見られるのは、塾章ペンを掲げた西洋文明のシンボルである女神を、鎧をまとった武士が白馬から降りて迎えている場面が描かれたステンドグラス。

太平洋戦争で焼失してしまったものを原画をもとに弟子が復活させたという、歴史と想いが詰まったものだとか。

週末は満席になることもあるそうですが、平日だと14時以降は比較的ゆっくり過ごせることが多いそう。取材時は平日の開店前に伺ったのですが、オープン後すぐはのんびりと過ごせました。

重要文化財の中にあるカフェで、丁寧に作られたスイーツやドリンクが楽しめる「カフェ 八角塔」。外歩きがますます心地よくなる春の季節、ぜひ足を運んでみてくださいね。

【店舗情報】

店名/カフェ 八角塔

住所/東京都港区三田2丁目15−45 慶應義塾大学三田キャンパス図書館旧館1階

公式サイト/https://www.instagram.com/cafehakkakuto/(外部リンク)

アクセス/都営地下鉄 三田駅より徒歩7分、赤羽橋駅より徒歩8分、JR田町駅より徒歩8分

定休日/日祝、大学指定休

営業時間/10時〜18時

※新型コロナウイルス感染症対策により店舗の休業や営業時間の変更など、掲載内容と異なる場合があります。訪問される前に最新情報をご確認されることをおすすめします。

本連載「大人のための東京カフェ案内」では、今後もカフェライターなかくき くみこが大人の皆さんに向けて心からおすすめする魅力的なカフェを紹介していきます。ご興味のある方はぜひプロフィールからフォローをして頂けるとうれしいです。日々のカフェ巡りはインスタグラム(外部リンク)やツイッター(外部リンク)に投稿しています。

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カフェライター

カフェ専門のライターとして、雑誌やWEBで取材記事を執筆。都内を中心に1,600軒以上のカフェを訪問。各メディアにおいて空間・おいしさ・居心地の三拍子揃った「大人が心地よく過ごせるカフェ」を主に紹介している。2024年11月に著書が出版される予定。プライベートでは中学生男子の母で東京郊外在住、身長147cm、性格はのんびり屋。日々のカフェ巡りはinstagramで更新中。仕事実績:リンネル、タイムアウト東京、偏愛東京、CafeSnap、るるぶ&more.、レッツエンジョイ東京、書籍や雑誌にて取材協力、ラジオ出演、新聞掲載、他

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