あえて昭和初期の味そのまま。藤沢市で一番古い洋菓子店の、未来に残したい「黄色いモンブラン」
小田急江ノ島線「本鵠沼駅」から徒歩1分のところにお店を構える『スワン洋菓子店』。70年以上の時を刻んでいる、藤沢市で一番古い洋菓子店です。
店内には、焼き菓子から生菓子まで洋菓子がずらり。現在は、3代目の中西正英さんがお店の味を継承しています。
「70年前といえば戦後間もない頃ですよね。洋菓子を作る職人もいなければ、材料や道具もなかった時代。当店の洋菓子は、その当時の面影をあえて残しています」と話す中西さん。
なぜ当時の味を今も販売するのでしょう?との質問に「流行など時代に合わせた商品も、もちろんご用意しています。ですが、戦後から受け継いできた洋菓子のレシピは、うちだけの宝物ですから」と中西さんは言います。
たとえば「ミルククッキー(1枚80円)」がそのひとつ。昨今のサクサクした軽いタイプのものではなく、昔懐かしい歯ごたえのある食感のクッキーです。
このほかの焼き菓子としては「ふじさわ観光名産推奨品」の「藤沢メダカサブレー(1枚100円)」も有名。こちらは、2002年に藤沢市で開催された「メダカシンポジウム」の手土産のために作られた商品で、フレッシュバターをたっぷりと使い、香ばしく焼かれたサブレーとなっています(ちなみに、店内には「藤沢メダカ」が泳ぐ水槽もありますよ)。
そして人気生菓子といえば、メディアにもたびたび登場する「コーヒーケーキ」「レモンパイ」がメジャーですよね。
ですが...
今日はちょっぴりクラシカルな視点から、『スワン洋菓子店』の歴史を感じる定番商品3点に注目します。まずは「モンブラン(470円)」。
今では見かけることの少なくなった「黄色いモンブラン」。ひと昔前は「モンブラン」といえば「黄色」のイメージでしたが、世代によっては「茶色(渋皮を含む色)」と答える人も多くなったのではないでしょうか。
ぐるぐると絞られたマロンペーストの部分をひと口食べると、その舌ざわりに「あれ?」と感じます。実は…
「最近のモンブランは、マロンペーストには栗の渋皮煮とバタークリームを使いますが、当店は栗の甘露煮に白あんを練りこみ仕上げています。これもバターが手に入らなかった時代の象徴ともいえる商品で、創業から変わらぬ味ですね」と中西さん。
お味はどこか懐かしく、和菓子のような甘さ。「今どきではない、このマロンペーストが好き!」というファンも多いそう。戦後の味を今に伝える、かけがえのない洋菓子ですね。
続いて、小さなチーズケーキ「湘南鵠ッ子(170円)」。日持ちは冷蔵で3日間です。
実は意外と男性客から支持を得ているという「湘南鵠ッ子」。
厳選した2種のクリームチーズを使い、手間と時間をかけて1つ1つ手作りしています。思っていたよりも甘さは控えめで軽い口どけ。フォークは不要で、大人なら2~3口で食べきれるサイズも魅力です。
最後は「ミニアップルパイ(360円)」。通常5号サイズで販売されている「アップルパイ」を6カットに切り分けた1人分サイズのアップルパイです。
『スワン洋菓子店』の「アップルパイ」は、ご覧の通りとてもオーソドックスなタイプ。大きくカットされた国産りんごがゴロゴロと入っており、フレッシュな食感も楽しめました。表面に塗られた甘いアプリコットジャムと、シナモンが香る甘酸っぱいりんごのコラボレーションは、口の中に秋を運びますよ。
未来に残したい守るべきストーリーを秘めている『スワン洋菓子店』の洋菓子。
近々お誕生日の方も、そうでない方も。藤沢市でもっとも歴史の長い洋菓子店で、ほかでは味わえない洋菓子を楽しんでみませんか?
基本情報
店名:スワン洋菓子店
住所:藤沢市鵠沼桜が岡3丁目5-3
アクセス:小田急江ノ島線「本鵠沼駅」から徒歩1分
駐車場:有り
公式 ホームページ(外部リンク)
公式 Instagram(外部リンク)
公式 Facebook(外部リンク)
※詳細は『スワン洋菓子店』の公式サイトをご確認ください。
取材・撮影協力 スワン洋菓子店 中西 様
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