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最初の6先発の防御率が今永昇太より低かった3人は、シーズン全体でどんな防御率を記録したのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
今永昇太(シカゴ・カブス)May 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今永昇太(シカゴ・カブス)は、ここまで6試合の先発マウンドに上がり、34.2イニングを投げて、奪三振率9.09と与四球率1.04、防御率0.78を記録している。

 MLBネットワークによると、自責点が公式記録となってから――ナ・リーグは1912年以降、ア・リーグは1913年以降――メジャーリーグ最初の先発6登板で30イニング以上を投げ、今永よりも低い防御率を記録した投手は、1981年に防御率0.33のフェルナンド・バレンズエラ、1945年に防御率0.50のブー・フェリス(デーブ・フェリス)、1913年に防御率0.75のボブ・ショーキーしかいないという。

 バレンズエラは、1980年9月にメジャーデビューし、そのシーズンは、リリーバーとして10試合に登板した。フェリスとショーキーは、メジャーデビューから6試合とも先発登板だが、ショーキーの初登板は7月だ。

 1981年のバレンズエラは、先発25登板で192.1イニングを投げ、防御率2.48を記録し、新人王とサイ・ヤング賞に選ばれた。このダブル受賞は、他には誰もいない。7登板目以降は、138.1イニングで防御率3.32だった。

 1945年のフェリスは、先発31登板とリリーフ4登板の計264.2イニングで防御率2.96。当時、新人王とサイ・ヤング賞はなく、MVP投票でア・リーグ4位に位置した。7登板目以降は、210.2イニングを投げ、防御率3.59を記録した。

 1913年のショーキーは、先発15登板とリリーフ3登板の計111.1イニングで防御率2.34。7登板目以降は、75.1イニングで防御率2.87だ。

 なお、今世紀に入ってから、ルーキー・イヤーに150イニング以上を投げ、防御率3.00以下は、見落としがなければ、9人が記録している。

筆者作成
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 彼らのうち、メジャーリーグ1年目だったのは4人。2003年のブランドン・ウェブ、2013年のホゼ・フェルナンデスヒョンジン・リュ(当時ロサンゼルス・ドジャース/現ハンファ・イーグルス)に、2023年の千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)がそう。あとの5人は、メジャーリーグ2年目か3年目だ。

 ウェブは、2登板目から先発投手として投げた。メジャーデビューのリリーフ登板を除いた、最初の先発6登板は、41.0イニングで防御率2.20を記録した。

 フェルナンデス、リュ、千賀の3人は、シーズンを通して先発マウンドに上がった。それぞれのメジャーリーグ1年目を、最初の6登板と7登板目以降に分けると、フェルナンデスは防御率3.48(31.0イニング)と防御率1.91(141.2イニング)、リュは防御率3.35(37.2イニング)と防御率2.92(154.1イニング)、千賀は防御率3.38(32.0イニング)と防御率2.88(134.1イニング)となる。

 9人中、フェルナンデスとジェレミー・ヘリクソンは、新人王を受賞した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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