オートバイのあれこれ『色とりどりの、ヤマハ製エンジン(クルマ編)』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今朝は『色とりどりの、ヤマハ製エンジン(クルマ編)』をテーマにお話ししようと思います。
今回で4回目の『色とりどり』シリーズ。
シリーズラストの今回は、ヤマハが開発に携わったクルマのエンジンをピックアップしようと思います。
◆3Mエンジン(トヨタ『2000GT』へ搭載)
ヤマハが手がけたクルマ用のエンジンで最も有名なのが、日本の名車『2000GT』へ搭載された『3M』でしょう。
ヤマハは『クラウン』に使われていたM型エンジンのSOHCヘッドをDOHCへグレードアップし、合わせてミクニ製の2バレルキャブレターを3連装するなどのテコ入れを実施しました。
ヤマハの手が加わったことで、3Mエンジンは150psを発揮。
150psといえば、当時の一般的な乗用車の3倍に匹敵する数字でした。
圧倒的なスペックを手に入れた2000GTは、FIA(世界自動車連盟)公認のスピードトライアルにて3つの世界記録を打ち立てます。
こうして2000GTは見事“Made in JAPAN”のスーパースポーツカーとして世界に名を轟かせたわけですが、それを陰から支えていたのは、実はヤマハの技術だったのですね。
◆2T-Gエンジン(トヨタ『セリカ』等へ搭載)
2000GTへ技術提供をしてからも、トヨタとヤマハの協力関係は続きます。
1960年代以降、クルマが世の中へみるみる普及するなか、トヨタはそれまで高級エンジンとされていたDOHCエンジンを大衆車向けに作ることを決め、この量産型DOHCヘッドの開発をヤマハに託しました。
トヨタ製の並列4気筒OHVエンジン『2T』エンジンをベースに、ヤマハはアルミを素材としてDOHCヘッドを製作。
2TにヤマハのDOHCが載り、こうして後に「トヨタの名機」と呼ばれる『2T-G』エンジンが完成したのでした。
2T-Gのスペックは、排気量1,588ccで最高出力115ps/最大トルク15.0kg-m。
2T-Gは1970年デビューの『セリカ1600GT』(TA22)へ初搭載されて以降、『カローラレビン1600』(TE27)などのクルマへ受け継がれ、安価に楽しめるDOHCとしてクルマ好きから愛されるエンジンとなったのでした。