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ラグビー日本代表 W杯に向けた新ジャージー発表!「世界初」の2つの新機能に迫る

斉藤健仁スポーツライター
新ジャージーのテーマは「原点回帰」(提供 日本ラグビー協会)

7月12日、東京・成田空港の会議室で、ラグビー日本代表が9月にイングランドで開催されるラグビーワールドカップ(W杯)で着用する新ジャージーの発表記者会見が行われた。

※プロモーション用の動画も合わせて発表された

新ジャージーのコンセプトは原点回帰と「JAPAN WAY」

W杯のための日本代表の新ジャージーでは、エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチが目指す独自のラグビースタイル「JAPAN WAY(ジャパンウェイ)」を貫いていた往年の日本代表の象徴である伝統的カラー「赤×白」に原点回帰し、伝統のストライプに錯視効果を加えることで日本代表が武器とするスピード、躍動感、強さを表現したという。

「子どもの頃、ニュージーランドにいたときに大畑大介選手やシナリ・ラトゥ選手といった日本代表が着ていた印象。それと同じデザインのジャージーを着てW杯に出場できて嬉しい」(FLリーチ マイケルキャプテン/東芝)

1999年W杯で使用したモデルに近いデザインとなった!青黒はアウェイ用
1999年W杯で使用したモデルに近いデザインとなった!青黒はアウェイ用

1997年よりラグビー日本代表はカンタベリー(=株式会社カンタベリーオブニュージーランドジャパン)からジャージーの提供を受けており、日本代表がカンタベリー製のジャージーを着ワールドカップ(W杯)を戦うのは1999年、2003年、2007年、2011年大会に続き、5度目のことになる。

一番左が新ジャージ。カンタベリーは1997年から日本代表にジャージーを提供
一番左が新ジャージ。カンタベリーは1997年から日本代表にジャージーを提供

この新ジャージーは、8月15日(土)に行われる世界選抜戦(東京・秩父宮ラグビー場、18:00キックオフ)から着用される。またこの新ジャージーのレプリカは7月17日(金)より全国のカンタベリーショップで販売される。

この新ジャージーには耐久性と軽量性、通気性、滑り止め効果など5つの新機能が盛り込まれたが、特にラグビーのジャージーでは業界史上「世界で初めて」という特筆すべき2つの機能性を紹介したい。

4つの素材をハイブリッド

新ジャージーは何と、業界初という4つの素材からできており、快適性、運動追随性の向上を図ったという。

1.メイン素材は耐久性と吸湿、速乾性、通気性に優れたものを使用。

2.袖口はストレッチ性の高い素材を使い、上腕筋の筋肉の動きにもスムーズに対応。また袖口部分は縫製をしない熱圧着仕様を採用。

3.肩部分には滑り止め効果のある特殊ファイバーを使用した素材を採用し、スクラム、タックル時のバインドをサポート。

4.脇の下にはすべての方向に伸縮する素材を使い、腕や肩の動きをサポート

肩部分にも滑り止めが採用。タックル、スクラムのバインドをサポート!
肩部分にも滑り止めが採用。タックル、スクラムのバインドをサポート!
脇の下は伸縮性の高い素材でできている。「スローイングもしやすい」(HO堀江)
脇の下は伸縮性の高い素材でできている。「スローイングもしやすい」(HO堀江)

フロントローのために特別のジャージーを開発

日本独自のことだ。スクラムの第一列であるフロントローと、それ以外のポジション(バックファイブ、バックス)の2種類のパターンを開発した。今までのジャージー同様に東芝ブレイブルーパスの選手の協力の下、ポジション別に選手の体型を3Dスキャンして測定、実測ボディーを用いた立体断裁によりパターンを作製した。選手の体型にマッチしたパターンにより運動性が向上したという。

特にフロントローの選手は胸の部分と腰の部分の高低差が激しいため、ダーツ縫いを行ったジャージーとなった。「前のジャージーだとタイトなままで息がしづらくなっていたので、自分で伸ばしていた。立体的になりましたね」(HO堀江翔太/パナソニック)

第一列用のみエンブレムの下にダーツ縫いが見られる。これで立体的となった
第一列用のみエンブレムの下にダーツ縫いが見られる。これで立体的となった

ショーツ&ソックスも白となり進化

ジャージーだけでなく、ショーツ(短パン)やソックスは色は黒から白となり機能性も進化した。ショーツはラインアウト、セットプレー時のジャンパー以外はストレッチ性の高い素材を使用。またジャンパー用はラインアウトの高さを安定させるため、弱めのストレッチ素材を採用している。

ソックスも着圧設計で足を引き締めたり、リブ編みで足首のホールド感を高めたり、滑り止めの効果で足とシューズの一体感を高めたりするなどの工夫が施されている。

足の甲の真ん中に見られるのが滑り止めだ
足の甲の真ん中に見られるのが滑り止めだ
スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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