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なでしこジャパン、サッカー女子W杯で存在感。ベスト8入りで見えた収穫と課題とは

下薗昌記記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家
(写真:ロイター/アフロ)

 サッカーのFIFA女子ワールドカップは過去最多となる32カ国が出場しました。ドイツやブラジルがグループステージで敗退する番狂わせが起きた一方で、なでしこジャパンはグループステージで優勝候補の一角、スペインに4対0で快勝。準々決勝ではスウェーデン相手に終盤、猛攻を見せながらも一点が遠く1対2で敗れ、2大会ぶりのベスト4進出を逃しました。

 ただ、2018年のU-20女子ワールドカップで「ヤングなでしこ」を初の世界一に導いた池田太監督が率いる今大会のなでしこジャパンは、チーム最多の5得点を挙げた宮澤ひなたや、男女を通じて日本代表の最年少ゴールを決めた藤野あおば、長谷川唯らが確かな存在感を見せ、今後に確かな希望を抱かせました。

 一方で、高額な放映権料ゆえに日本国内での放映が大会直前に決定。WEリーグも集客で苦戦が続いています。日本の女子サッカーの「光と影」を各種記事とともに検証しました。

▼なでしこジャパンのW杯総括。快進撃の理由と今後の課題とは

▼快進撃を支えた10人の「池田チルドレン」。佐々木則夫女子委員長は池田太監督の続投を明言

▼「素晴らしい模範を示してくれた」。FIFAインファンティーノ会長、なでしこジャパンに異例の感謝

▼苦境に立つWEリーグ。レベルの向上とは対照的に2年目の動員数は平均1401人

 2011年の女子ワールドカップで世界の頂点に立ち「なでしこブーム」を巻き起こしたなでしこジャパン。今大会では、その再現こそなりませんでしたが、近年、人気面でも低迷が続く女子サッカー界の未来にむけて奮闘した今回のなでしこジャパンは、育成年代を含めて確かに底上げされてきた技術と組織力で今後への可能性を示してくれました。10月からは早くも来年のパリ五輪出場にむけてアジアでわずか2つとなる出場枠をかけた戦いが始まります。

【この記事は、Yahoo!ニュース エキスパート オーサー編集部とオーサーが共同で企画したキュレーション記事です。キュレーション記事は、ひとつのテーマに関連する複数の記事をオーサーが選び、まとめたものです】

記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家

1971年、大阪市生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)でポルトガル語を学ぶ。朝日新聞記者を経て、2002年にブラジルに移住し、永住権を取得。南米各国でワールドカップやコパ・リベルタドーレスなど700試合以上を取材。2005年からはガンバ大阪を追いつつ、ブラジルにも足を運ぶ。著書に「ジャポネス・ガランチードー日系ブラジル人、王国での闘い」(サッカー小僧新書)などがあり、「ラストピース』(KADAKAWA)は2015年のサッカー本大賞で大賞と読者賞。近著は「反骨心――ガンバ大阪の育成哲学――」(三栄書房)。日本テレビではコパ・リベルタドーレスの解説やクラブW杯の取材コーディネートも担当。

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