Yahoo!ニュース

天皇杯準決勝の顔ぶれは「三都物語」に。Jリーグ史上初となる決勝での関西勢対決なるか #専門家のまとめ

下薗昌記記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家
昨季の天皇杯は川崎フロンターレが柏レイソルを下し優勝。今大会は関西勢の優勝なるか(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 日本最古のサッカートーナメント大会である天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会は9月25日にベスト4が決定。過去にいずれも優勝経験を持つ横浜F・マリノスとガンバ大阪、京都サンガ、ヴィッセル神戸が勝ち上がりJリーグ発足後初となる関西勢3クラブが4強入り。

 横浜F・マリノスと対戦するガンバ大阪が勝ち上がった場合は11月23日に行われる決勝で関西勢対決が実現します。天皇杯をめぐる「三都物語」はどのような結末を迎えるのでしょうか。

ココがポイント

G大阪がベスト4一番乗り! 終盤の決勝ゴールで広島に競り勝つ◎天皇杯準々決勝
出典:サッカーマガジン編集部 配信日2024/9/11(水)

1993年のJリーグ発足後では初となる関西3クラブが4強入りとなった。
出典:スポーツ報知 配信日2024/9/25(水)

京都が終始圧倒、千葉を一蹴し公式戦5連勝!2年ぶりのベスト4進出【天皇杯】
出典:超ワールドサッカー編集部 配信日2024/9/18(水)

前半のうちに双方が退場者を出す荒れた展開となったが、強さを見せた横浜FMが2017年大会以来7年ぶりの4強入り。
出典:ゲキサカ 配信日2024/9/25(水)

エキスパートの補足・見解

 一発勝負の天皇杯では番狂わせが生じがちで、2022年の102回大会ではJ2リーグに在籍するヴァンフォーレ甲府がサンフレッチェ広島を下して優勝したこともありました。

 今大会のベスト4進出クラブにとって難しいのは天皇杯と並行してJ1リーグやAFCチャンピオンズリーグエリートを戦う日程面の問題です。

 横浜F・マリノスは天皇杯準決勝の5日前に、山東泰山(中国)とのアウェイゲームが控えます。対戦するガンバ大阪もJ1リーグで逆転優勝の可能性を残していますが、天皇杯を最優先にする可能性は高そうです。ただ、攻撃の軸の一人、ウェルトン選手が準決勝で出場停止になるのは痛手です。

 京都サンガは本稿執筆時点でJ1リーグでは14位。J1残留が最優先の目標ですが、今夏に加入したラファエル・エリアス選手が絶好調で、FWトリオは今のJ1リーグでも屈指の破壊力を秘めています。

 一方、最も日程的に難しいのはJ1リーグの逆転優勝も視野に入れるヴィッセル神戸でしょう。天皇杯準決勝の4日前にはAFCチャンピオンズリーグエリートで蔚山HD(韓国)とのアウェイゲームが控えています。

 11月23日に国立競技場で行われる決勝戦に進むのは果たしてーー。

記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家

1971年、大阪市生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)でポルトガル語を学ぶ。朝日新聞記者を経て、2002年にブラジルに移住し、永住権を取得。南米各国でワールドカップやコパ・リベルタドーレスなど700試合以上を取材。2005年からはガンバ大阪を追いつつ、ブラジルにも足を運ぶ。著書に「ジャポネス・ガランチードー日系ブラジル人、王国での闘い」(サッカー小僧新書)などがあり、「ラストピース』(KADAKAWA)は2015年のサッカー本大賞で大賞と読者賞。近著は「反骨心――ガンバ大阪の育成哲学――」(三栄書房)。日本テレビではコパ・リベルタドーレスの解説やクラブW杯の取材コーディネートも担当。

下薗昌記の最近の記事