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残り10節となったJ1リーグ。FC町田ゼルビアのJ史上初の快挙の可能性は? #専門家のまとめ

下薗昌記記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家
黒田剛監督の就任一年目にJ2初優勝を飾ったFC町田ゼルビア。初昇格初優勝なるか(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 近年稀に見る混戦模様になりつつある今季のJ1リーグ。首位を走るFC町田ゼルビアは、Jリーグ史上例がない快挙を達成するかどうかにも注目が集まります。過去、J1昇格一年目で優勝を飾ったのは柏レイソルとガンバ大阪の2チームのみですが、FC町田ゼルビアが目指すのは「初昇格、初優勝」という前例のない偉業です。高校サッカー界の名将だった黒田剛監督の手腕も注目されるFC町田ゼルビアの現状をまとめました。

ココがポイント

▼昇格一年目のFC町田ゼルビアは既に快挙を達成。6月22日には史上初めて初昇格チームでのリーグ戦首位ターンをしている

・【データ】町田が偉業、史上初J1初昇格チームの首位ターン 過去10シーズンで4チームが優勝(日刊スポーツ)

▼高校サッカー界の名門、青森山田を率いていた黒田剛監督のプロ監督転身は昨季から話題に。就任一年目からその手腕を発揮していた

・「プロでは通じないはず」の奇策でJ2クラブが躍進、元・青森山田の名将の手腕(ダイヤモンド・オンライン)

▼ロングスローやPK時のボール水かけなども話題になりがちなFC町田ゼルビア。そのサッカースタイルとは?

ロングスロー、PKボール水かけ…FC町田ゼルビアは“ヒール”なのか。「出る杭は打たれる」との見解がある一方でJリーグにとっては有意義な存在【コラム】(サッカーダイジェストWeb)

▼豊富な資金力を活かして日本代表クラスの豪華補強を実施。移籍市場においても今夏の主役に

町田ゼルビア「7億円超」の大型補強…的確な「即戦力」を入れたらすぐ使って結果を出す「成功術」(アサ芸プラス)

▼W杯最終予選に向けて発表された森保ジャパン。国内組7人のうち、FC町田ゼルビアから同一クラブ最多となる3人が招集

・A代表もJ1首位・町田が躍進 森保監督「非常にフィジカルの能力が高い」192cm大型SB・望月ヘンリー海輝は初選出 クラブ別では最多3人(日テレNEWS NNN)

エキスパートの補足・見解

 J1リーグでは過去にも夏場に首位を走っていたチームが失速したり、苦しんだりしてきましたが、FC町田ゼルビアも直近の5試合は1勝2分2敗と黒星が先行。これからは対戦相手だけでなく、「重圧」という見えない敵との戦いも待っています。

 残り10試合の段階で、優勝争いは首位のFC町田ゼルビアから、勝点6差で追う5位のガンバ大阪までの5チームに絞られた感はありますが、サンフレッチェ広島やヴィッセル神戸は9月以降、ACLとの並行日程が待つだけに、国内の大会だけに専念できるFC町田ゼルビアは日程面で有利な状況です。

 毎年のように最終節にドラマが待つJ1リーグですが今季はFC町田ゼルビアが鹿島アントラーズと対戦。ガンバ大阪はサンフレッチェ広島と対戦します。

 12月8日の最終節までJ1リーグから目が離せません。

記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家

1971年、大阪市生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)でポルトガル語を学ぶ。朝日新聞記者を経て、2002年にブラジルに移住し、永住権を取得。南米各国でワールドカップやコパ・リベルタドーレスなど700試合以上を取材。2005年からはガンバ大阪を追いつつ、ブラジルにも足を運ぶ。著書に「ジャポネス・ガランチードー日系ブラジル人、王国での闘い」(サッカー小僧新書)などがあり、「ラストピース』(KADAKAWA)は2015年のサッカー本大賞で大賞と読者賞。近著は「反骨心――ガンバ大阪の育成哲学――」(三栄書房)。日本テレビではコパ・リベルタドーレスの解説やクラブW杯の取材コーディネートも担当。

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