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JリーグでプレーしたW杯得点王は過去5人。元イタリア代表FWのスキラッチさんを悼む #専門家のまとめ

下薗昌記記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家
ジュビロ磐田でも随所にワールドカップ得点王の片鱗を見せたスキラッチさん(写真:水谷章人/アフロ)

 ワールドカップのイタリア大会(1990年)で鮮烈な活躍を見せ、イタリアを3位に導いたサルヴァトーレ・スキラッチさんが18日、結腸がんで亡くなりました。イタリア大会では得点王に輝き、大会MVPに選出。1994年にはJリーグで2人目となるW杯得点王経験者としてプレーし、ジュビロ磐田で点取り屋の能力を見せつけました。その功績を振り返ります。

ココがポイント

J1磐田でプレーした元イタリア代表FWのサルヴァトーレ・スキラッチ氏が死去したことが18日、磐田関係者の話で分かった。
出典:スポーツ報知 配信日2024/9/18(水)

沼津の中山雅史監督「メチャクチャ優しすぎる瞳の印象しかありません」戦友・スキラッチ氏悼む
出典:日刊スポーツ 配信日2024/9/18(水)

95年には34試合出場で31得点という驚異的なペースでゴールを量産。
出典:日刊スポーツ 配信日2024/9/18(水)

ユベントスは、公式ホームページに「チャオ、トト(イタリア語でさようならの意)」とする追悼文を掲載。
出典:スポーツ報知 配信日2024/9/18(水)

エキスパートの補足・見解

 32年目を迎えたJリーグの歴史の中で、過去にワールドカップの得点王の肩書きを持った外国人選手はわずか5人しかいません。1986年のメキシコ大会のガリー・リネカーさん(名古屋グランパス)、1990年イタリア大会のサルヴァトーレ・スキラッチさん(ジュビロ磐田)、1994年アメリカ大会のフリスト・ストイチコフさん(柏レイソル)、2010年南アフリカ大会のディエゴ・フォルランさん(セレッソ大阪)とダビド・ビジャさん(ヴィッセル神戸)です。

 こうした錚々たる顔ぶれの中でも最もJリーグで活躍したのはスキラッチさんと言えるでしょう。1995年にはJ1リーグ得点王に1点届かなかったものの31点を決め、ジュビロ磐田では公式戦93試合で65得点。ワールドカップの歴史のみならず、日本のサッカー史にもその足跡は残っています。イタリア語で万能、全能を意味する「トト(Totò)」の愛称で知られたスキラッチさんの早世が惜しまれます。

 Ciao, Totò(さようなら、トト)。

記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家

1971年、大阪市生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)でポルトガル語を学ぶ。朝日新聞記者を経て、2002年にブラジルに移住し、永住権を取得。南米各国でワールドカップやコパ・リベルタドーレスなど700試合以上を取材。2005年からはガンバ大阪を追いつつ、ブラジルにも足を運ぶ。著書に「ジャポネス・ガランチードー日系ブラジル人、王国での闘い」(サッカー小僧新書)などがあり、「ラストピース』(KADAKAWA)は2015年のサッカー本大賞で大賞と読者賞。近著は「反骨心――ガンバ大阪の育成哲学――」(三栄書房)。日本テレビではコパ・リベルタドーレスの解説やクラブW杯の取材コーディネートも担当。

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