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福岡の家系ラーメン黎明期に誕生した不動の人気を誇る名店〈独自の進化を遂げた豚骨醤油ラーメンの代表格〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

2009年に福岡県福岡市早良区の「西新」で創業し今年15年目を迎えた「海豚や」。2012年には同南区の「大橋」に〈博多海豚や大橋店〉を開業。両店とも家系ラーメンが福岡に浸透していなかった時期から、行列の絶えない「豚骨醤油ラーメン」のお店として、昔も今もその人気を保ち続けている名店だ。

福岡の家系ラーメン黎明期に起きた独自の進化

近年の福岡では、本場横浜の味と変わらないといわれる家系ラーメンを提供するお店も増え、本場の味を求める人々からも人気を博している。その一方、まだ家系ラーメンの存在が知られていなかった時代に開業し、鶏油、ほうれん草、うずらの卵、海苔などが入った家系ラーメンのニュアンスを取り入れながら、豚骨のスープはフレッシュな取り切りではなく伝統の呼び戻しを取り入れたり、醤油のしょっぱさを抑え地元の人向けに九州醤油や鶏油の甘さを強調したり、博多ラーメンと同様の細ストレート麺をスープに合わせてみたりと、随所に「福岡らしさ」を採用しながら独自の進化を遂げた「豚骨醤油ラーメン」が、今も変わらず福岡の地で不動の人気を誇っている。

豚骨王国に寄り添った福岡らしさの残る一杯

地元に寄り添った豚骨醤油ラーメン。そんな受け入れやすいスタイルを十数年前から確立し、提供してきた人気のお店が今も福岡市内に「複数店」存在する。その中の一つが「西新海豚や」であり、その支店の〈博多海豚や大橋店〉である。福岡風の家系ラーメンの先駆けとして、家系を名乗ることなく、地元の人々の間に「豚骨醤油ラーメン」を提供し浸透させてきた。その結果として本場の「横浜家系ラーメン」が福岡の地に受け入れやすい土壌をつくり上げてきた功績とともに、独自の進化を遂げた「豚骨醤油ラーメン」自体も、福岡の地元の人々に支持され続けている。

そしてつい先日。この日は久しぶりに〈博多海豚や大橋店〉へ訪問。お昼をだいぶ過ぎた時間にもかかわらず外に待ち客があふれていて、その後方で待つこと10分ほど。店内に案内され、ひと通りあたりを見渡すと、小さなお子さんのいるご家族連れや学生さんのグループで賑わっていた。

海豚や大橋店のある一角は、大橋地区の中でも、かなりのラーメン激戦区。「西鉄大橋駅」の南側に面した大通り沿いにあり、一九ラーメン大橋本店、博多らあめん坫(てん)、塩原いってつ大橋店など、新旧の博多ラーメン店をはじめ他ジャンルのラーメン店もひしめき合っている立地。そんな中で、開業以来12年ほどになる〈博多海豚や大橋店〉は衰え知らずの人気ぶりだ。

家系と豚骨のハイブリッドなラーメン

まずは店内の左手にある券売機前。ラーメンの選択肢は大きく分けて「ラーメン」と「豚骨ラーメン」と「油そば」の三択から。あとはそれぞれに各種トッピングが選択できるメニュー構成になっている。そんな中から最上段左上の人気No.1の「ラーメン」と「うずら5個」のトッピングを選択しを発券した。

L字型のカウンター席に案内され着席しながら待つこと少々。海豚やのベーシックな「ラーメン」にうずらを増量した一杯は、パンチのある濃厚な豚骨ベースのスープではあるものの醤油や鶏油の甘みがあり、まろやかな味わいで一般的な博多の豚骨ラーメンとなべて比較するとカエシは強めながら後味はスッキリとした仕上がりに。

鶏油、ほうれん草、うずらの卵、海苔といったトッピング類はまさに家系のそれを取り入れているため、パッと見は横浜発祥の家系ラーメン。

だけど味わいは福岡らしい独自のもので、合わせる麺も博多ラーメン的な細ストレート麺を採用しバランスもとてもいい。

まさに横浜家系を取り入れた福岡らしいハイブリッドな「豚骨醤油ラーメン」といった印象で、とても美味しくいただきました。

博多海豚や大橋店

住所  :福岡県福岡市南区大橋2-12-12[地図
営業時間:11時30分~翌00時30分
定休日 :不定休
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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