コッテリな一杯を求めてお昼に行列〈油の層が表面を覆う濃厚豚骨ラーメン〉半世紀を超える太宰府の老舗の味
1970年(昭和45年)に福岡県太宰府市で創業し今年で54年目。半世紀を超える歴史ある老舗の名店「太宰府八ちゃんラーメン」。その名店の味を、九州・福岡の中心街、福岡県福岡市中央区の「天神」で唯一味わえるお店がある。それが2015年に開業した〈太宰府八ちゃんラーメン 天神店〉で、今年9年目を迎えた。それ以前の2014年頃までは「博多葱一」というこのエリアでは慣れ親しんだ豚骨ラーメン店があった場所ながら、今やお昼のピークタイムには待ちの行列ができることもあるほど、すっかりこの街に馴染んでいる。
時間に追われるビジネスマンの強い味方
福岡市営地下鉄「天神駅」、地下鉄七隈線「天神南駅」、西鉄「福岡(天神)駅」、西鉄天神バスターミナルなど大きな交通の要所がひしめき、多くのビジネスマンが行き交う天神エリア。それぞれの要所から降車しても徒歩圏内という場所に〈太宰府八ちゃんラーメン天神店〉はあり、昭和通り沿いの「日本銀行福岡支店」の裏手のオフィス街の一角に存在する。
現在は、朝の10時に開店し17時30分までという通し営業スタイルをとっている。日々時間に追われているビジネスマンには、10時開店でも需要はあるし、中休み無しの通し営業なので混み合うピークタイムを避けた14時以降でも利用できる営業スタイルは忙しく働く人々の強い味方だ。
売り切れてしまうほど人気の名物やきめし
この日、訪れたのはお昼遅めの14時頃。店内に入って券売機前に立つとセットメニューに赤い「×印」が付いていた。スタッフの方が近づいてきて『今日はごはん類が売り切れて「らーめん」のみになりますが大丈夫ですか?』と告げられた。ここ数ヵ月は「やきめし」の作り手である店長さんが不在という貼紙も出ていて販売が中止されていたので、今は再開されたということなのだろう。
今回は券売機の最上段左上の「豚骨らーめん」を単品で選択し、カウンター席へ向かうと先客のお一人が「やきめし」を食べていたのでその方で終わったんだろうと思うとちょっと残念な気持ちに。ただ、やきめしの復活自体は朗報なので、次回は「豚骨らーめん・焼き飯セット(豚骨らーめん+半やきめし)」を注文しようと心に誓った。
油脂感強めな濃厚豚骨スープと極細麺
待つ間に店内を見渡すとピークを外した時間帯なので数人の先客のみ。みなさん忙しい合間を縫ってのお食事なのか黙々とラーメンと向き合っていた。そして待つことほんの少々で配膳された一杯は、極細のストレート麺によく絡むキリッとした塩味の効いたコク深い豚骨スープ。特に体調のいい時に食べるとたまらなく美味しくいただける逸品で、油脂分が層を成すほどベタ感の強めな味わい。だけど意外なほど後味はスッキリとしているので飲みやすいスープでもある。
麺はほどよく小麦の香りが感じられる歯切れのいいタイプ。サラッといける量なので替玉まで楽しむのがいいかもしれない。スープと麺以外は、チャーシューとネギだけというシンプルな構成で、大変美味しくいただきました。
単純明快なセットメニューを楽しむ喜び
次回は間違いなく迷うことなく「豚骨らーめん・やきめしセット1100円」を発券しようと思う。セットの「半やきめし」はパラパラ食感の油っぽさを感じないタイプの一皿で、ラーメンのお供にピッタリな逸品。まさに太宰府八ちゃんラーメンの名物である。
瓶ビールや餃子の単品はあるものの観光客や飲み客向けのメニューは一切ない。メニュー構成はいたってシンプルな豚骨ラーメン専門店。ベーシックな豚骨らーめん800円のほかに、黒辛味噌らーめん850円と赤辛味噌らーめん850円の3種類のみで、替玉は150円。
席数は20席ほどで、4人掛けのテーブル席が2つあるので、お昼のピークタイムを避ければグループでも大丈夫。残りはすべてカウンター席でお一人様にはとても使い勝手のいいお店。また行列があったとしても回転は早いので天神に寄られる機会があればぜひご利用ください。
太宰府八ちゃんラーメン 天神店
住所 :福岡県福岡市中央区天神4-6-31[地図]
営業時間:10時00分~17時30分
定休日 :日曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり