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大惨事?嬉しさを破壊行動で表現した元保護犬。でも「安心してください。飼い主が見守っています」

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
雑種のつぶあん@tsubutsubu0908

トップの写真は、白い綿が散らかった室内で犬が満足そうに、寝そべっています。この大惨事の後に掃除するのはたいへんですね。なぜ、このようになったのかを見ていきましょう。

つぶちゃんは見守られています

つぶちゃんの飼い主が「犬を飼うということ」とコメントをつけてTwitterに投稿したところ、6月8日現在12.7万人以上の「いいね」がつきました。興味を持った人が多かったようです。

綿が舞うリビングの床の上でごろんと横たわっているのは、元保護犬で推定5歳の男の子つぶちゃんです。

飼い主が急用で2日間家を空けているとき、シッターさんがつぶちゃんのお世話をしてくれていました。つぶちゃんは、帰宅した飼い主と夜にじゃれているときに嬉しさのあまり、自分用のクッションを振ったので、中から綿が飛び散りこのような惨事の写真になりました。

写真だけを見て、つぶちゃんが留守中に、このような行動を起こしたように思う人がいるかもしれません。つぶちゃんの名誉のために、書いておきます。

この写真の行動は、飼い主の目の前でやっています。つぶちゃんは、綿の誤飲もしていません。

比較的大型な犬なので力があり、クッションをくわえて振ったら破れたのです。留守中につぶちゃんは、破壊行動をしたこともないそうです。

なぜ、飼い主はこの写真をアップしたか?

部屋が散らかっている投稿のコメントにあるように「犬を飼うということ」は、このように部屋を散らかすこともあるということを伝えたかったのでしょう。

つぶちゃんは、元保護犬で、トイプードルやチワワなどに比べる大型なので、飼い主に喜びを表現するときに、家具や持ち物を破壊することもあるかもしれませんが、それは彼らの愛情と関心を表現する方法の場合もあります。

つぶちゃんの行動は、飼い主と再会した喜びの感情が爆発した結果であり、そのことを理解して温かく見守って後は、飼い主が綺麗に掃除したそうです。

犬を飼うことは、たくさんの喜びや癒しをもたらしてくれますが、ときに、このように掃除が大変になることもあるかもしれません。ですが、飼い主さんは愛情を持って見守りながら、犬が誤飲などの危険を避けられるように遊びを提供してあげることも重要だということなのです。

こんな犬の行動やありあまるエネルギーも知って、犬を終生飼養してもらいたかったのでしょう。

犬を飼うということは、予期せぬことが起こることも

筆者もミニチュアダックスのラッキーを飼っていました。

つぶちゃんに、比べると小型犬なのですが、留守中に、お米の袋を床に置いておいたら、家の中で米が散らかっていました。ラッキーは、明らかに留守番が長かったし、仕事が忙しくて、あまり構っていなかったので、それで筆者がいないときにこのような破壊行動をしたのでしょう。 その後のラッキーのウンチには、未消化の米が出て少し下痢気味でした(もちろん、それから床に米袋をおかなくなりました)。

犬を飼っていると、このような掃除が面倒なことが起こるがあります。そんなことも含めて、犬がしていることに嫌気をささずに愛せる人に、犬を飼ってほしいものです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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