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「えぐい」練習避けられない。姫野和樹が語る。ハードワークなぜ大事?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
(写真:REX/アフロ)

 6月12日に本格化したラグビー日本代表の浦安合宿は、第2週目に突入した。ハードな練習のさなか、姫野和樹が報道陣に対応。タフな時間を過ごす意味や価値について語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部。

——2015年のワールドカップイングランド大会で3勝し、19年の日本大会で初の8強入り。共通項は、大会直前期に猛練習を繰り返していることです。実際に戦っている側としてはどう感じますか。

「ハードワークは、すごく大事です。2019年(自身が初出場した日本大会での8強入り)も、ハードワークして勝ち得た結果です」

——本番でも、厳しい鍛錬が活きる感触はあるのですか。

「あります、あります。メンタリティが違いますし。きつい場面での1歩、2歩が結果に繋がってきますが、その1歩、2歩、そして3歩は、練習のなかで培われるものです。

(今回も)ハードワークをするスケジュールにはなっているので、まぁ、そこは、安心を!」

 姫野の言葉通り、日本代表は6月12日からの浦安合宿でタフなセッションを重ねる。午前中は、室内練習場で格闘技的要素を交えたタックルのセッションをおこなう。タフさと相手を倒す技術を涵養する。その後、グラウンドへ出ると、チーム戦法の基本項目を実地訓練で確認する。

 午後にはより本格的な実戦練習やユニット別のセッションもあるようで、常連組も、初選出組も、その強度に舌を巻いている。

 姫野は続ける。

——チームはどんな練習をしているのですか。

「確認のところもあり、がつがつした(激しい)ところも。試合も始まってしまうし、そんなに時間もないので、コンディショニングと頭の確認を同時進行で」

——7月の試合期は。

「試合をやりつつ、自分たちの身体も鍛えつつという同時進行。タフな国内活動になるんじゃないかと」

——2017年に代表デビューを飾り、スーパーラグビーでもプレーした姫野さん。区分としては、ベテランの域に入るのでしょうか。

「区分…。まぁ、そうなんじゃないですかねぇ。ここまで代表で長くやっていますし、かつ海外に行っています。経験値という意味では、チームにとって重要なものを持っていると思う。年齢的にはベテランと言いたくないですけど、経験値の面でチームに手助けできるものはある。身体はベテランではないですけど、ベテランとして経験を伝えていけたら」

——いまの日本代表のレベルは上がっていますか。

「自分たちの引き出しは増えました。ボールを保持してアタックすることもできますし、キッキングゲームにも去年から取り組んでいて身になっている。また若い選手が来て、選手層も底上げされている。あとは細部を尖らせ、強みにする作業が必要です」

——ジェイミー・ジョセフヘッドコーチからはどんなリクエストが出ていますか。

「こうしろ、ああしろとは言われていない。ただコンディションが整っていないので、本番は3か月後だと言われている。ここで無理をして大きなけがに繋がってはいけない。まずはしっかり自分の身体を治し、100パーセントになったらまた戻る」

——体調はどういう状態なのですか。

 横にいるスタッフがその手の質問を控えるよう告げると、姫野は「まぁまぁ」と制止し、こう続けた。

「感覚的には、すぐに戻れると思います」

——ちなみに、午前中のタックルセッションは1時間ぶっ通し。手を膝や腰についたら叱責されると聞きます。

「やばいな、えぐいな、と率直に思います。強度、運動量はすさまじいですし。…明日から参加するので、今日は眠れないなと。叩いて、叩いて強くなるようなイメージ。ディテールにもこだわっているので、すごく身になっていそう。早くやりたい気持ちもありますし、怖いなという気持ちも半々です」

 憂鬱になるほどのタフなセッションに、勇気を持って挑む。その先に栄光がある。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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