台風13号の”遠隔豪雨”に警戒、後続の気がかりなダブル熱帯擾乱も発生予想
台風13号は迷走せず、まっすぐ大陸へ
台風13号は、きょう14日(土)午前9時現在、沖縄県の大東島地方に最も接近しています。今後は暴風域を伴い、今夜にかけて、奄美地方に最も接近する見込みで、奄美地方では、猛烈な風に厳重な警戒が必要です。また沖縄地方にかけても、暴風、大雨、高波に警戒してください。
先日の台風10号は、同じような位置から西日本を進んで、紀伊半島沖で熱帯低気圧に変わるまで、5日ほどかかりましたが、台風13号は、迷走することなく、北西方向へ進み、あす15日(日)は東シナ海を進んだ後、あさって16日(月)には中国大陸へ上陸する見込みです。
西日本中心に”遠隔豪雨”にも警戒
雨雲の予想をみると、台風13号本体の活発な雨雲は、きょう14日(土)午後6時頃には奄美大島付近を通過し、あす15日(日)正午頃には、ほぼ東シナ海へ抜けるでしょう。
一方、本州付近に注目すると、台風13号の東側に広がる際立った暖湿流がきょうからあすにかけて、西日本の太平洋側を中心に流れ込み、台風本体から離れた場所でも大雨となるおそれがあります。いわゆる台風から遠く離れた場所で降る”遠隔豪雨”に警戒が必要です。また北から南下する秋雨前線の活動も活発となるため、北日本から北陸などを中心に、日本海側でも大雨となる所があるでしょう。
新たなダブル熱帯擾乱が発生へ
上図はあす15日(日)午後9時の予想天気図です。奄美地方を通過した台風13号は、東シナ海から中国大陸へ上陸間近の状況です。一方、タイトル画像にある対流活動活発域の中で、新たな低圧部が2つ発生する予想です。低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がはっきりと解析できるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。
今後の予想では、2つ発生する低圧部の西側(左側)の低圧部が主体となり、次第に発達する計算が非常に多くなっています。
来週末からの3連休は、熱帯擾乱+秋雨前線の大雨パターンも
参考までに、上図は、GSMモデルによる計算結果です。先述した主体となりそうな熱帯擾乱がもう1つの熱帯擾乱を巻き込みながら発達し、来週後半の19日(木)頃には、沖縄付近にまで北上してくる計算です。さらに、この熱帯擾乱の東側の本州付近に、秋雨前線の顕在化を予想する計算が多く、その後、来週末からの3連休にかけて、熱帯擾乱+秋雨前線の大雨パターンが数日間続いてしまうことを予想するモデルも多くなっています。
猛暑が収まるとともに、活発な秋雨期の到来も
この3連休も台風13号の暖湿流や秋雨前線の影響で、あちらこちらで激しい雨が降り、大雨となるでしょう。ただ連休明けにはいったん多くの所で晴れ間が出て、東海以西を中心に、引き続き、35度以上の猛烈残暑に見舞われる所も多くなりそうです。
ところが20日(金)頃からは、先述した熱帯擾乱や秋雨前線の影響で、傘マークが並んでいて、熱帯擾乱や秋雨前線の状況次第では、大雨や荒天などの悪天が長引くおそれもあります。このあたりは、まだかなりブレ幅が大きな状態ですから、最新情報に十分ご注意ください。